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タカラバイオ、約73億円投じて本社地区に再生医療等製品の研究・製造施設を新設

 タカラバイオは1月30日、滋賀県草津市の本社地区に新たに再生医療等製品の研究・製造施設を建設、あわせて同地区の既存の研究・製造施設を拡張すると発表した。総事業費は約73億円を見込んでおり、全額自己資金から拠出する予定。

 タカラバイオは、遺伝子・細胞プロセッシングセンターを2014年に、本館棟(新研究棟)を2015年に建設し、自社の遺伝子治療臨床開発プロジェクトの治験薬製造、ならびに再生医療等製品の開発・製造支援事業(以下、CDMO事業)を推進してきた。

 遺伝子治療臨床開発プロジェクトは順調に推移し、上市を見据えた製造スケールアップを行うステージに達している。また、CDMO事業においても、製薬企業やバイオベンチャーなどの再生医療等製品の開発プロジェクトの増加やゲノム解析技術の診断分野への拡がりなどの影響を受けて、受託サービスの受注量が増大し、各施設の稼働率が急速に高まっている。このような状況に対応し、今後の遺伝子治療プロジェクトのさらなる推進とCDMO事業の拡大・発展を目指し、新施設を建設することにした。

 新施設は、GMP/GCTPに準拠した再生医療等製品の製造、品質検査業務、およびゲノム編集やiPS細胞作製などの受託サービス・研究開発業務を行う3つのエリアで構成される。新施設の増設により、2016年度受託サービス売上実績に対して、実装区域のみで約2.5倍のキャパシティを得ることとなる。

 新施設の延床面積は14,100㎡だが、このうち、約4,600m㎡については、未実装区域とし、将来発生すると予想される多様なニーズに機動的に対応できる設計となっている。さらに、既存施設の機能の一部を新施設に移管・拡張することに伴い、既存施設の細胞加工やセルバンク保管、さらに高速シーケンサーによる遺伝子解析業務に関連するフロアなども拡張し、これらの機能向上、キャパシティアップも行う計画。

 タカラバイオは、「タカラバイオ中期経営計画 2019」(2017年5月9日策定)において、「日本初のがんの遺伝子治療薬の承認取得」、「再生医療等製品関連CDMO事業トップランナーの堅持」を経営目標に掲げており、当該施設の新設・拡張を機にこれらの事業の一層の発展・強化を進めていく。

<本社地区研究・製造施設の新設ならびに既存施設の拡張>

所在地:滋賀県草津市野路東七丁目4番38号

目的:遺伝子治療薬製造・治験薬製造能力の拡大、CDMO(再生医療等製品の開発・製造支援)事業の拡大、研究開発力の強化

①新棟建設

・3階建て、延べ床面積14,100㎡(平面形状は95m x 45m、高さは22m)

・GMP/GCTPに準拠したベクター製造、製剤の無菌充填、および品質試験の拡充

・研究受託サービスの拡充

②既存施設

・GMP/GCTPに準拠した細胞加工及びセルバンク保管、高速シーケンサーによる遺伝子解析業務の拡充

竣工 2019年9月予定(GMP/GCTP区域については2019年12月に稼働予定)

事業費 約73億円(全額自己資金から拠出)

主な施工会社:株式会社大林組、株式会社ダイキンアプライドシステムズ

 ニュースリリース

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