リージョナルジェットは、主に中小都市間の短距離の移動に利用される民間航空機。欧米を中心に導入が進み、アジアや中南米など新興国の高い経済成長や人口増加などを背景に、今後も高い需要が期待されている。
「CF34」は、GE社(アメリカ)が中心となり、開発、設計、製造を行っている国際共同開発事業で、Bombardier社(カナダ)の「CRJ700/900/1000」、Embraer社(ブラジル)の「E170/175/190/195」、Comac社(中国)の「ARJ21」といった主要なリージョナルジェットに独占搭載されている。「CF34」は、その高い経済性・信頼性から、全世界で150社以上の航空会社に採用されているベストセラーエンジンとなっている。
IHIは、この国際共同開発事業に参画し、「CF34」の低圧タービンモジュール、高圧コンプレッサ後段部分、シャフトなどエンジンの主要部位を担当している。また、エンジンの開発・設計・製造で培ったエンジニアリング力を活用し、エンジン整備や、運航中のエンジン性能をモニタリングすることによって運航計画の最適化を支援するサービスを手掛けており、納入から運用、整備までエンジンのライフサイクル全般にわたるサービスを提供している。
IHIはこれまで、70席クラスのリージョナルジェットから500席クラスの大型機まで、幅広いクラスの航空機に搭載されるベストセラーエンジンを手掛けており、現在は、Bombardier社が開発中のビジネスジェットGlobal7000に搭載される「Passport20」エンジンやBoeing社(アメリカ)が開発中の次世代大型旅客機「777X」に搭載される「GE9X」エンジンなどの新機種の開発にも取り組んでいる。今後も様々な民間航空エンジンを提供することを通じて、世界中の航空機の安心・安全・快適な運航を支えていくとしている。