■油圧ショベルの年度需要、前回比7,000台増の20万1,000台を想定
調整後営業利益は、売上原価率・販売管理費率の低減、部品サービスの増加とソリューションビジネスの貢献により660億4,900万円(同499.7%増)、営業利益は686億1,000万円(同740.1%増)、親会社株主に帰属する当期利益は429億900万円(前年同期は25億2,800万円)となった。
また、前年度に連結子会社化したH-E Parts社、Bradken社のマイニング設備や機械のアフターセールスにおける部品・サービス事業強化の取り組みなど、新車販売以外での収益拡大を図るべくバリューチェーンの深化を推進中。併せて、グローバルなサポート体制を強化し、シェア向上、コスト低減を進めるなど、経営の体質強化と効率化に取り組んでいる。
<建設機械ビジネス>
マイニング機械需要は、マイニング会社の投資増加を受け、前年同期を上回っている。日立建機では、日立グループの力を合せて高度な車体安定化制御を実現したリジッドダンプトラックAC-3シリーズの拡販に努めるとともに、鉱山機械の運行管理システムの提供や自律運転技術の開発等、鉱山運営の効率化に取り組んでいる。また、より高度なレベルの顧客サポート体制の構築を進め、部品・サービスの売上収益拡大に努めている。
4~12月期の売上収益は6,145億2,200万円(前年同期比21.2%増)、調整後営業利益は647億500万円(同487.5%増)となった。
<ソリューションビジネス>
同事業は、前年度に連結子会社化した、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken社とサービスソリューションを提供するH-E Parts社で構成されている。
4~12月期の売上収益は、オーストラリアや南米でマイニング機械向けの売上収益が堅調に推移し695億6,500万円、調整後営業利益は13億4,400万円となった。
なお、この調整後営業利益は、H-E Parts社およびBradken社のPPA(取得資産の再評価)実施による償却額47億5,000万円を控除した後の数値。 *上記の売上収益は、セグメント間調整前の数値。
■連結業績予想は上方修正、世界需要が想定を上回る伸び
2018年3月期連結業績予想(2017年4月~2018年3月)については、油圧ショベルをはじめとする建設機械の世界需要が、多くの地域で想定を上回る見込みであり、日立建機の販売も計画を上回る見込みであることから、2017年10月25日に公表値を上方修正した。
売上高9,300億円(前回予想8,900億円、前期比23.4%増))、調整後営業利益770億円(同570億円、同172.4%増)、営業利益770億円(同550億円、同222.7%増)、税引前当期利益460億円(同510億円、同222.7%増)、親会社株主に帰属する当期利益460億円(同300億円、同473.4%増)となる見通し。
また、今年度の油圧ショベル需要は、第2四半期発表時の19万4,000台から7,000台増の20万1,000台を想定している。
第4四半期の業績予想の前提為替レートは、2017年4月に2018年3月期業績予想公表時点の想定値である米ドル105円、ユーロ110円、人民元15円を据え置いて作成している。