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積水化学、約200億円投じて欧州で合わせガラス用中間膜および原料樹脂の生産能力を増強

■新製膜ラインではヘッドアップディスプレイ用くさび形中間膜を中心に生産

 積水化学工業は1月25日、欧州の製膜工場(オランダ・ルールモンド市)に「新製膜ライン」を、原料樹脂工場(オランダ・ヘレーン市)に「新樹脂ライン」を増設すると発表した。これらの生産能力増強にかかる投資額は約200億円で、新製膜ラインは2019年度下期、新樹脂ラインは2020年度上期の稼動を予定している。また、新製膜ラインでは、速度などの情報をフロントガラスに投影するヘッドアップディスプレイ(HUD)用くさび形中間膜を中心に生産する計画。

 積水化学の高機能プラスチックスカンパニーは、自動車や建築物で使用される合わせガラス用中間膜の製造・販売をグローバルに展開しており、自動車向けの中間膜市場では世界トップシェア(2016年度、積水化学推測)を誇る。

 世界の自動車生産台数は今後年率2%程度で成長し、2021年には105百万台(2016年94百万台)に達すると見込んでいる。加えて、合わせガラス用中間膜は、フロントガラスのみならずフロントサイドやルーフなど使用される部位が広がるとともに、補修需要も拡大していることから、自動車生産台数を上回る需要拡大を見込んでいる。

 さらに、安全性、快適性、省エネ性など自動車性能に対するニーズの拡大を受けて、遮音や遮熱、HUD対応など高い機能を付加した中間膜については、年率5%以上の高い成長率で推移すると考えている。特にHUD(ダイレクトタイプ)は、2020年に2017年比で約2倍の年間1,000万台程度の新車に採用されると見込んでいる。

 このようなニーズを背景に、積水化学グループは、2015年4月に中国工場(蘇州市)で、そして今月メキシコ工場(モレロス州)で通常製品よりも遮音性の高い中間膜の本格的な生産を開始した。そして今回、欧州にHUD向けくさび形中間膜の生産ラインを増設するとともに、これらの製膜ライン増強と今後の中間膜市場拡大をふまえ、中間膜の原料であるポリビニルブチラール樹脂(以下PVB樹脂)について、欧州でPVB樹脂の生産ラインを増設することを決定した。今後も、成長を続ける自動車産業に対し貢献すべく、高機能膜の開発と拡販をより積極的に進め、中間膜事業の拡大を図っていく。(積水化学の海外グループ企業

<生産能力を増強する欧州拠点の概要>

1)PVB樹脂工場

①所在地:Chemelot SITE, Burgemeester Lemmensstreet 350, 6163JT GELEEN 3-kruiken GATE 3, The Netherlands

②生産品目:PVB樹脂

③生産能力増強:従来比1.7倍の生産能力増強

2)製膜工場

①所在地:Metaalweg 5, Roermond 6045, The Netherlands

②生産品目:合わせガラス用中間膜(通常中間膜、遮音中間膜、くさび形中間膜(増設後))

③生産能力増強:自動車700万台分/年の生産能力増強

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