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川崎重工、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車「R211」の受注を内定、受注額は約14億ドル

 川崎重工業は1月25日、米国現地法人KawasakiRailCar,Inc.(KRC:ニューヨーク州ヨンカース市)を通じて、ニューヨーク市交通局(以下、NYCT(※))より新型地下鉄電車「R211」535両の発注内示を受けたと発表した。

 受注金額は約14億米ドル(約1,581億円)で、車両の構体製作をリンカーン工場(KawasakiMotorsManufacturingCorp.,USAネブラスカ州)、機器取付・最終組立および機能試験をリンカーン工場とヨンカース工場(ニューヨーク州)の2カ所で行い、2020年から2023年にかけて納入する予定。

 今回の契約には、最大1,077両のオプションが付随している。オプションが全て行使された場合は、生産総数1,612両、受注総額は約37億米ドル(約4,033億円)と、川崎重工における過去最大規模の鉄道車両受注案件となり、2025年まで生産が継続する。

 「R211」は、ニューヨーク地下鉄の近代化や利用者の継続的な増加ならびに旅客サービス向上計画に伴い、既存の地下鉄電車(R46)の置き換えとして導入されるもので、LED照明やデジタル表示機の採用、混雑時のスムーズな乗り降りを考慮した従来よりも広いドアが特長。また一部の電車には、ニューヨーク地下鉄では初めてとなる車両間貫通路を導入することで車内の混雑緩和を図る。

 川崎重工は、NYCT向けでは1982年に地下鉄電車(R62)325両を受注して以来、2,200両を超える納入実績を有している。今回の受注は、川崎重工が長年北米市場で培った豊富な実績に裏付けられる契約履行能力と、厳しい技術要求への対応力、アフターサービスも含めた信頼性が高く評価されたものとしている。

 今回の契約は、現在進行中のワシントン首都圏交通局向け地下鉄電車(7000系)、ロングアイランド鉄道・メトロノース鉄道向け通勤電車(M-9)およびメトロノース鉄道向け通勤電車(M-8)などに続く、当社の米国における鉄道車両事業を大きく飛躍させるものとなる。

<「R211」地下鉄電車の概要>

(1)車種:地下鉄電車(5両/編成、最大10両まで連結可能)

(2)寸法:18.44m(長さ)×3.00m(幅)×3.665m(高さ)

(3)車体素材:ステンレス鋼

 ※NYCT(NewYorkCityTransit)は、ニューヨーク州交通局(MTA:Metropolitan Transportation Authority)傘下の地下鉄・バスの運営会社。MTAの傘下には、NYCTのほか、ロングアイランド鉄道、メトロノース鉄道等がある。

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