㈱カネカは1月17日、欧州地域での自動車部材などの旺盛な需要に対応するため、Kaneka Belgium N.V.(本社:ベルギー王国ウエステルロー市)のビーズ法発泡ポリオレフィン*(製品名:エペラン(R)、エペラン-PP(R))の生産設備増設を決定したと発表した。生産能力を約50%増強するとともにプロセスの自動化によるコストダウンや高機能性ビーズの量産化を目指す。投資額は約20億円、2019年春の稼動を予定している。
英国やフランスでは2040年以降のガソリン車、ディーゼル車の販売禁止が決定され、電気自動車の普及促進に積極的に乗り出している。これに対し自動車メーカー各社は走行可能距離を延ばす軽量化素材の採用を積極的に進めており、自動車部材として軽量性と耐衝撃性を合わせ持つ発泡ポリオレフィンの市場は今後も高い成長が見込まれる。
今後もグローバル市場での需要拡大が見込まれることから、カネカグループは生産能力を順次増強して行くとともに、カネカ独自技術に基づく難燃特性などを付与した高機能性ビーズを積極的に市場投入することで、自動車の軽量化や安全性向上へのソリューション提供を加速し、さらなる事業拡大を図っていく。
*エペラン(R)はビーズ法発泡ポリエチレン、エペラン-PP(R)はビーズ法発泡ポリプロピレンの製品名。耐熱性や耐衝撃性、耐薬品性に優れた特長を持つ。精密機器等の緩衝包装材の他、バンパーコア材・シートコア材などの自動車部材にも幅広く用いられており、自動車の軽量化に貢献する素材。
画像:自動車の後部座席芯材に使用するエペラン-PP®