日立建機は1月11日、運動場の施工および生活道路などの小規模舗装工事における整地などでの活用が期待されるPATブレード(*1)仕様機において、3D設計データを用いて、複雑な動きをするPATブレードの3Dマシンコントロール機能を実現するミニショベルシステムを開発したと発表した。
運動場の施工および生活道路などの小規模舗装工事における上層路盤の整地は、PATブレード仕様のミニショベルや、モータグレーダ、ブルドーザなどの建設機械を使用して施工されている。その施工には、オペレーターの高い運転技術が必要だが、今後、進んでいく日本国内の建設業就労者の減少に伴う熟練オペレーターの減少により、施工量をこなせなくなっていくことが、建設業界では大きな課題となっている。そのような状況の中、日立建機は、PATブレードの3Dマシンコントロール機能を実現するミニショベルシステムを開発した。
各測量機器メーカーのセンサやコントローラなどの機器を搭載することで、TS基準局(*2)から得た機械の位置情報を基に、3次元設計データに従ってPATブレードをリアルタイムで半自動制御し、施工目標面の仕上げにおいて、効率的な作業が可能となる。従来の建設現場で行われていた検測作業などの作業工程を削減するとともに、整地作業の効率化に寄与し、顧客の現場の安全性や生産性の向上に貢献する。
日立建機では、今後、製品化に向けたさらなる機能向上と、クラウドと連携したソリューションの開発に取り組んでいく。
日立建機グループでは、さまざまなビジネスパートナーとのオープンイノベーションによる連携や、日立グループの強みであるICTや制御およびIoTの技術を活用する「One Hitachi」の取り組みを推進し、顧客とともに課題を解決するICT・IoTソリューション「Solution Linkage」を提供している。
*1:PATブレード:Power Angle Tiltブレードの略で、通常の上下動作に加え、チルト、アングル動作も可能としたブレード(排土板)のこと。
*2:TS基準局:距離と角度を同時に計測できる計測機器であるトータルステーション(TS)のうち、自動追尾機能を持つものを基準局として使用するもの。建設機械などに取り付けたプリズムの位置を連続的に計測することで機械の位置情報を算出する。