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川崎重工、環境へ配慮したスラグ用竪型CKミルを日鉄住金セメントへ納入

 川崎重工業は1月12日、日鉄住金セメント北海道室蘭市)に環境へ配慮したスラグ用竪型CKミルを納入したと発表した。運転開始は2018年1月を予定している。

 竪型CKミルは、セメント工場で使用される粉砕機で、主原料(石灰石)と副原料(粘土やけい石、鉄原料)などを一緒に乾燥・粉砕する原料粉砕や、原料を焼成してできるクリンカを粉末状のセメントにする仕上げ粉砕の工程で使用される。今回納入した竪型CKミルは、原料となるスラグの微粉砕を主目的としている。

 川崎重工は、環境にやさしいセメント製造機へのニーズに対応するため、粉砕部のローラ形状や製品分級部の改善、加圧機構を支えるスタンド部の材質を鋼板からコンクリートに見直すなどの改良を重ねることで、振動を大幅に低減したほか、従来の粉砕機(チューブミル)に比べて電力消費量を約50%削減する大幅な省エネルギー化を実現した。これらの特長から、川崎重工グループ製品の中でも特に高い環境性能を誇る「Kawasakiグリーン製品」(※1)に登録されている。

 なおCO2削減効果は、竪型CKミル導入による設備の電力消費量削減と、その導入に伴い既存キルン設備の排熱利用を可能にしたことで得られる燃料消費量削減により、年間約8,400tになる。

 今回納入した竪型CKミルは、川崎重工が設計および据付・運転技術指導を担当し、中国CONCHグループ(※2)との合弁会社である安徽海螺川崎節能設備製造有限公司(CKM)が製造したことで、高品質・高性能と導入コスト削減の両立を実現した。

 川崎重工は、1985年にCKミルの初号機を納入して以来、日本のほか東アジア・東南アジア地域を中心に国内外で拡販を展開し、累計受注実績は今回で137基となる。

 川崎重工は、今後もセメント製造設備に関する優れた技術力と豊富な実績、高い信頼性を活かして、積極的な製品の開発・販売を展開していく。

※1 Kawasakiグリーン製品:川崎重工が独自に定めた環境基準を満たした製品に与えられる認定。環境への配慮が業界標準クラスを超えるか、川崎重工前機種製品を超える製品が該当する。

※2 CONCHグループ:中国最大手で世界有数のセメントメーカーであるCONCHセメントを傘下に持ち、セメントや建材、貿易等の事業を展開している企業集団。

<CKミル仕様>

ミル型式:CK280 ・粉砕能力:60t/h

テーブル軌道径:2,800mm・ローラ数:3個

設備モータ:2,100kW・用途:スラグ乾燥粉砕

 ニュースリリース

 

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