●年頭所感2018 日立造船株式会社 取締役会長兼社長 谷所 敬
明けましておめでとうございます。
■昨年を振り返って
昨年は新製品の受注で成果があった年でした。SCRシステム搭載舶用原動機、海底設置型フラップゲート式水門の初受注があり、昨年末には、トチュウエラストマー®を採用したゴルフボールの新製品発表も行われました。
また、昨年1月には株式会社エイチアンドエフの完全子会社化でグループ再編を完了。2月には豪州のOsmofloグループを子会社化し、海水淡水化プラントにおける逆浸透膜の技術が増え、海水淡水プラントのレンタル事業のノウハウを得ることができましたので、グループ内で活用して事業拡大につなげていきます。
■中期経営計画「Change & Growth」の進捗状況
事業基盤の再構築と生産性の向上にむけては、秋田バイオガス発電所の事業開始や米国グループ会社が手掛ける米国カリフォルニア州でのバイオガス発電所の建設で、事業領域の拡大を期待しています。
また、阪神高速技術株式会社と路面びび割れ検出の共同開発、東京二十三区清掃一部事務組合と杉並清掃工場を舞台とした共同開発等でビッグデータやAIを含むICTを積極的に活用しています。
今後は、リスク管理の強化や高収益化策を具体的に進めながら、成果が出始めている格付けの引上げや自己資本比率の向上に加え、財務体質の強化も図っていきます。
グループ総合力の発揮については、事業クラスターの形成や連結経営管理の検討を進めており、今後、活動を活性化させていきます。また、低収益製品の活性化や見極めについても各製品の戦略推進状況を見ながら判断し、ポートフォリオマネジメントの推進を図っていきます。
■現在の課題
当社の最大の課題は「収益力の強化」であることに変わりはありませんが、「Change & Growth」の実践により課題の解決に努めていきます。
受注高・売上高の中で、関係会社、海外事務所、国内支社の存在感が高まる一方で、収益管理、情報交換、人材ローテーションなどの面では十分とは言えず、ガバナンスの改善を進めていく必要があります。
また、ヒューマンエラーに起因する技術トラブルを減らすためにも常に品質を意識して、技術トラブルの撲滅と顧客満足の向上に努めていきます
■2018年の方針
①ICT活用による生産性の向上
今年の8月から新しい事務基幹システムが稼動します。業務プロセスの簡素化や標準化で業務効率を高めていきます。また、10月には遠隔監視およびIoT/ビッグデータ分析基盤となる「Hitz先端情報技術センター」が運用を開始します。社外との連携と共創を強化し、開発スピードの加速化を実現し、激しい時代の流れや技術の変化に柔軟に対応できる力をつけていきます。
②働き方改革
女性や外国人の積極的な採用で社内での多様性は進みつつありますが、ダイバーシティ・マネジメントを推進していくには、ワークライフバランスの充実にむけた働き方改革が不可欠です。業務の棚卸し、年次有給休暇取得の活性化、在宅勤務制度の導入検討などによって働き方を改善して生産性を向上させて、労働時間を短縮してワークライフバランスの充実を図ります。
今年は、ICTの活用で生産性向上と働き方改革元年としたいと考えています。中期経営計画「Change & Growth」の初年度が残り3ケ月となりましたが、次年度につなげるためにも私が先頭に立って全役職員を牽引し、受注目標の達成、収益の改善、災害ゼロおよびトラブル撲滅にむけ、全力で取り組んでいきます。
以上