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川崎重工、鹿児島市向け新南部清掃工場の整備・運営事業を受注

 川崎重工業は12月22日、鹿児島市より「新南部清掃工場(ごみ焼却施設・バイオガス施設)整備・運営事業」を受注したと発表した。同事業は、DBO方式(※1)で発注され、ごみ焼却・バイオガス施設の設計・建設と20年3ヶ月間の運営業務を行う。

 今回受注したごみ焼却施設は、220t/日(110t/日×2炉)の処理能力を持ち、少ない空気量でごみを完全燃焼できる川崎重工独自の並行流焼却炉をベースとしたストーカ式焼却炉(カワサキ・アドバンスト ストーカシステム)に、ろ過式集じん器(バグフィルタ)や排ガス再循環システムなどの高度な排ガス処理システムを設置することで、ダイオキシン類や一酸化炭素などの有害物質の排出抑制や排ガス量の低減を実現する。また、同焼却炉に高温高圧ボイラと蒸気タービンを組み合わせて効率的な発電(最大発電量4,710kW)を行い、施設内の消費電力を賄うとともに余剰電力を売電する。

 併設するバイオガス施設は、60t/日(30t/日×2基)の処理能力を持ち、可燃ごみから選別された塵芥類(※2)を、し尿処理施設からの脱水汚泥とともに乾式メタン発酵処理を行う。発生したバイオガスは、精製後ガス会社へ供給され、都市ガスの原料として利用される。

 なお、ごみ焼却施設併設のバイオガス施設で精製されたガスを都市ガス原料としてガス会社へ供給する事業は、国内で初めての取り組みとなる。

 また、両施設は、デザインコンセプト“SATSUMA Style(薩摩スタイル)”を掲げ、色や柄に「薩摩らしさ」を取り入れることで、環境との調和や地域との融合を図るとともに、市民の方々が親しみを感じられる施設を目指している。

 川崎重工は、ストーカ式焼却炉をはじめとした各種廃棄物処理技術を有し、国内で約300件の廃棄物処理施設を手掛けている。今後も多様化する環境問題やニーズに応えるため、積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいく。

 ※1 DBO方式:Design(設計)、Build(建設)、Operate(運営)の略。施設の設計から運営までを民間委託する方式。

 ※2 塵芥類:家庭の台所や事業所から出てくる野菜くずや食べ物の残りなどのごみ。

<鹿児島市新南部清掃工場(ごみ焼却施設・バイオガス施設)整備・運営事業の概要>

【建設工事】

 発注者:鹿児島市

 受注者:川重・渡辺・前田・南生・小牧特定建設工事共同企業体

 建設場所:鹿児島市谷山港三丁目3番地3

 設備概要:

  (1)ごみ焼却施設:

   ストーカ式焼却炉 220t/日(110t/日×2炉)

   蒸気タービン発電機 4,710kW×1基

  (2)バイオガス施設:60t/日(30t/日×2基)

 完工予定日:2021年12月31日

 契約金額:210億6,000万円(消費税込み)

【運営事業】

 発注者:鹿児島市

 受注者:グリーンパーク鹿児島株式会社

 運営期間:2022年1月1日~2042年3月31日(20年3ヶ月間)

 契約金額:139億3,200万円(消費税込み)

 ニュースリリース

 

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