■アモルファス合金粉末の生産能力を増強し、中長期的な需要に対応
セイコーエプソンは12月20日、グループ会社で、微細合金粉末の製造で世界シェアトップのエプソンアトミックス(本社:青森県八戸市)が、八戸市内にある北インター事業所内に建設を進めていたアモルファス合金粉末の新工場が竣工、2018年1月から稼働を開始すると発表した。
エプソンアトミックスは、自動車、スマートフォン、ウエアラブル機器、医療機器などにおける、さまざまな高機能部品の原材料となる微細合金粉末を生産している。中でも2004年に世界で初めて量産化を実現した、独自のSWAP(Spinning Water Atomization Process)製法で製造するアモルファス合金粉末は、優れた高周波特性に加え、高い磁束密度と低いエネルギー損失の特長から、電圧制御部品の低消費電力・小型化、高周波・大電流対応などの性能を向上させる高機能材料粉末として、高い評価を受けている。
自動車産業やスマートフォン、ウエアラブル機器、省エネルギー産業をはじめ、その需要は年々高まりを見せ、中長期的にもその傾向が続くと予測されている。新工場は、こうしたアモルファス合金粉末の需要拡大に対応するため、約12.5億円を投資し、2016年11月に着工した。
エプソンアトミックスでは、今後も段階的に生産体制を強化し、2025年までにアモルファス合金粉末の生産能力を現在の年間約2,000トンから、約6,000トンまで高める計画。
今後もエプソンアトミックスは、独自の金属粉末製造技術を強みとし、顧客に信頼され喜ばれる製品・サービスを届け続けていく。
<エプソンアトミックス 北インター事業所の概要 >(新工場の増設後)
生産品目:微細合金粉末(磁性粉末、MIM※5用粉末)
投資額:約12.5億円
工場面積:敷地:30,600m²、建物:約7,500m²(うち新工場は約1,800m²)
北インター事業所:2013年9月に竣工し、同年10月から稼動を開始した、エプソンアトミックス2つ目の生産拠点。新工場の稼働により、アモルファス合金粉末の生産ラインは本社工場との2拠点体制となる。
<エプソンアトミックス 会社概要>
会社名:エプソンアトミックス株式会社
本社所在地:〒039-1161 青森県八戸市大字河原木字海岸4-44
代表取締役社長:大塚 勇
創業:1999年10月1日
従業員数:約280名
資本金:4億5千万円 ※セイコーエプソン株式会社100%出資
事業内容:金属粉末、金属射出成形部品、人工水晶原石の開発、製造、販売