高炉用軸流圧縮機は、製鉄所の高炉に高圧・大風量の空気を送り込むために空気を圧縮する装置で、高炉送風機(ブロワー)といわれている。三井造船は、これまで高炉向けに80台以上の納入実績があり、他用途も含めると100台を超える軸流圧縮機を世界中に納めてきた。
今回受注した高炉用軸流圧縮機は、三井造船独自技術による全段静翼可変方式により実現した製鉄会社のニーズに応える広い作動性、並びに50%反動翼を採用した高い性能を実現している。その高い効率による省エネ性とコストパフォーマンス、実績に裏付けられた高い信頼性と耐久性、そしてメンテナンスが容易な構造等が考慮され、採用に至った。
高度経済成長期に国内の各製鉄会社に納入された高炉用軸流圧縮機は、更新時期を迎えており、今後も堅調な需要が見込める。また、海外に目を向けると、インド等の新興国では、経済発展に欠かせない鉄鋼需要に応えるため、新たな製鉄所建設が計画されており、市場拡大が見込める。
三井造船はこれまでに培ってきた国産の軸流圧縮機技術をベースに、さらに発展させ、顧客満足度の高い高付加価値な製品を国内外の顧客へ提供していく。なお、高炉用軸流圧縮機や炉頂圧回収タービンの取り扱いについては、2018年4月の持株会社体制への移行後、「株式会社 三井E&Sマシナリー」が継承する。