プライメタルズテクノロジーズ（Primetals Technologies、以下PT社）は12月５日、11 月に中国の鉄鋼メーカーである常州中天鋼鉄（以下、中天鋼鉄）向けとして、年産能力130 万トンのブルーム連続鋳造機の近代化工事を完工し、最終検収書（final acceptance certificate：FAC）を受領したと発表した。同連鋳機は、これまでの円形ブルームと角形ブルームの鋳造に加えて、更に断面280 ミリ×320 ミリのビームブランク（H 型形状）も鋳造可能となった。
中国江蘇省・常州の中天鋼鉄は、民営会社として鉄鋼年産能力1,000 万トン以上の銑鋼一貫製鉄所を操業しており、鋼管、ベアリング、ばね鋼、各種構造用鋼をはじめとする幅広い鋼種の最終製品を製造している。
2013 年7 月に稼働を開始したこの5 ストランド（条）式連鋳機はPT社が供給したもので、構造用鋼、高炭素鋼、合金鋼、低合金鋼、鋼管等級鋼などのブルームを毎分最大0.8 メートルの速度で生産可能。継ぎ目無し鋼管用として直径400 ミリと500 ミリの円形ブルーム、鍛鋼用として直径600 ミリの円形ブルーム、丸棒鋼用として断面370×490 ミリの長方形ブルームをそれぞれ鋳造し、鋳造後のブルームは、同社独自の特別な圧延機で丸棒鋼に加工される。
この連鋳機の湾曲半径は14 メートル、凝固完了長32 メートルで、湾曲鋳型、油圧式鋳型オシレータ「DynaFlex（ダイナフレックス）」、湯面レベル制御システム「LevCon（レブコン）」が装備されている。
PT社は今回の近代化工事で、追設されるブランク形状用として必要な鋳型及びストランドガイド上部の2 セグメントのエンジニアリング、主要コンポーネントの新設スプレーノズル及びサイドガイドの供給矯正機及びダミーバー、搬出エリアの改修を担当する。さらに各種の技術パッケージ、ベーシックおよびプロセスオートメーション一式、品質評価用の品質管理システム「VAIQ」の供給、組立および試運転のコンサルタントサービス、顧客トレーニングも担当した。