長瀬産業は11月30日、中国の深圳市科達利實業股份有限公司(本社:中国広東省深圳市、以下KDL)、㈱アテックス(本社:大阪府東大阪市)、および広州長瀬貿易有限公司(中国広東省広州市)と、中国恵州にEV(*1)等の新エネルギー車向け精密金属インサート成形部品の製造会社を設立すると発表した。
合弁会社はKDLのEV用リチウムイオンバッテリー部材生産拠点(中国広東省恵州市)の一部を成型工場として分社化、高品質な成形部品を現地生産し、今後、中国で急成長が見込まれるEVを中心とした新エネルギー車(EV、PHEV(*2)、FCV(*3))の電気駆動系部品向けに供給する。
長瀬産業自動車材料事業部は、中期経営計画「ACE-2020」において、自動車の電動化・電子化・知能化に求められるカーエレクトロニクス関連部品や材料ビジネスの拡大を目指しており、国内外のパートナーと連携しサプライチェーンを構築、自動車メーカー並びに電機メーカー等の顧客に対し積極的な提案活動を展開している。その中でも特に、資本業務提携先であるアテックスが製造する精密金属インサート成形部品は、その部品設計力、生産技術、品質が顧客に高く評価され、日系自動車メーカーを中心に、HEV(*4)やEV量産車種のインバーター、モーターやバッテリー周辺で採用が拡大している。
KDLは、日・韓・中・欧・米系の大手バッテリーメーカーを主要顧客とする中国最大手のリチウムイオンバッテリー部材メーカーで、特にEV用バッテリーのケースではトップクラスのシェアを誇っている。
今回、中国では深刻な環境問題を背景に政府主導でクリーンな新エネルギー車(EV、PHEV、FCV)の普及策が発表されたこともあり、今後、EVを中心とした新エネルギー車市場の急速な拡大が見込まれる。新エネルギー車の電気駆動系部品には、極めて高品質な精密インサート成形部品が求められ、このニーズに応えるべく長瀬産業はKDL、アテックスとの合弁会社を通じて、日本で実績を積んでいる高品質・高信頼性の成形部品を中国現地で生産し、拡大する新エネルギー車への採用展開を目指す。
長瀬産業は、HEV・EV部品事業において、今回の合弁会社の売上を含め2025年にグローバルで売上200億円を目指す。
<合弁会社の概要>
社名 :恵州三力協成精密部件有限公司(仮名)
所在地 :中国広東省恵州市
資本金 :18 百万人民元
出資比率 :KDL 51%、長瀬産業 25%、アテックス 20%、広州長瀬 4%
設立 :2018 年1月(予定)
事業内容 :車載用および産業金属インサート部品製造・販売
工場敷地 :2,300 m²(総床面積=2,300×4階=9,200 m²)
<深圳市科達利實業股份有限公司>
董事長 :励 建立
本社所在地 :中国広東省深圳市
設立 :1996年9月
資本金 :1,680 百万円
事業内容:LiB 部材(ケース、封口板)、樹脂部品
<株式会社アテックス>
代表取締役 :浅野 典成
本社所在地 :大阪府東大阪市
設立 :1993年10月20日
資本金 :87 百万円
事業内容 :プラスチック製品開発(企画・設計)、竪型インサート成型およびアウトサート成型、HEV/EV 向け精密インサート樹脂部品の製造
*1 EV:電気自動車
*2 PHEV:プラグインハイブリッドカー
*3 FCV:燃料電池車
*4 HEV:ハイブリッド電気自動車