東京電力パワーグリッド(本社:東京都千代田区、以下「東電PG」)と㈱グローバルエンジニアリング(本社:福岡県福岡市)は11月29日、官民学一体となって検討を進めているアグリゲーション事業(※1)の実現に向けた業務提携契約を締結したと発表した。
両社はこれまで、経済産業省の補助事業である「バーチャルパワープラント(※2)構築事業」に共同で参画するなど、再生可能エネルギーの導入と電力系統安定化の継続的な両立といった、将来のエネルギー事業における課題解決に向けた取り組みを推進している。
今回の提携において、東電PGとグローバルエンジニアリングは、複数のリソースアグリゲーター(※3)を集約し、電力市場等に対してサービス提供を行う「親アグリゲーター事業」に関する検討を行っていく。再生可能エネルギーをはじめとする分散型エネルギーリソースを集約し、小売電気事業者向けのインバランス回避サービスや再生可能エネルギー事業者向けの抑制回避サービス等へ効果的に活用することができる。
具体的には、東電PGは電力系統運用者として培った需給運用や再生可能エネルギーの変動予測等の技術・ノウハウを活用し、リソースアグリゲーション事業者に市場参入してもらうためのオープンプラットフォームを構築することにより事業領域拡大を目指す。
また、グローバルエンジニアリングは電力需給におけるエネルギーマッチングやエリア跨ぎバランシンググループ間調整(※4)スキルを活用し、広域における親アグリゲーター事業の展開に向けて、リソースアグリゲーターや電力市場等と接続するオンラインシステムの構築を目指す。
東電PGとグローバルエンジニアリングは、本提携を通じて2019年度からの親アグリゲーター事業の開始を目指す。これにより、リソースアグリゲーション事業者が参入しやすい環境を整え、急速に普及しつつある再生可能エネルギーや蓄電池等の分散型エネルギーリソースを効果的・効率的に活用する社会の実現に向けて取り組んでいく。
※1 系統安定化や再生可能エネルギーの出力抑制回避などのため、エネルギーリソース(蓄電池や発電設備、デマンドレスポンスなど)を束ねて最適制御すること。
※2 仮想発電所。散在する再生可能エネルギーや蓄電池等のエネルギーリソース、デマンドレスポンス等の取り組みを統合的に制御し、あたかも一つの発電所のように機能させる仕組み。
※3 需要家と契約を直接締結し、エネルギーリソースの制御を行う事業者のこと。
※4 複数の発電事業者や小売電気事業者を1つのグループにまとめ、全体で需要と供給のバランスをとる仕組みのこと。グローバルエンジニアリングは、国内9エリアにおけるバランシングループ間調整を行う実績を持つ。