■アフリカにおける鉄道・港湾建設プロジェクトの引受第1号案件
日本貿易保険(NEXI)は11月28日、モザンビーク及びマラウイにおける鉄道・港湾建設プロジェクト向け融資に対し、保険の引受を決定したと発表した。NEXIとして初のアフリカにおける鉄道・港湾建設プロジェクトに対する保険引受となる。また、米ドル建てでの保険引受の第2号案件。
本件は、三井物産と世界有数の総合資源会社であるVale S.A.が、共同で出資する鉄道・港湾事業会社4社を通じて、モザンビーク北部のMoatize炭鉱からNacala港まで、途中マラウイを経由する約912kmの鉄道を新設・整備するとともに、Nacala港に石炭ターミナルを整備し、運営を行うプロジェクト。
三井物産がプロジェクトと同時に出資を行ったMoatize炭鉱は大規模な石炭埋蔵量と高い競争力を有し、産出される石炭の一部は日本にも輸出される見込みだが、既存の鉄道・港湾では輸送能力が不十分であるため、新たな輸送インフラの整備が課題となっている。このプロジェクトによりMoatize炭鉱からの輸送インフラを整備することは、我が国の石炭供給源の多様化や安定供給に貢献する。
モザンビークは首都のマプトを中心とした南部が急速な経済発展を遂げているのに対し、北部は開発の遅れが指摘されていた。また、同様に内陸国のマラウイは持続的な経済発展を達成する上で、輸送インフラの整備が課題とされている。プロジェクトでは石炭輸送に加えて一般貨物も輸送される計画であり、モザンビーク北部及びマラウイの経済発展への多大なる貢献が期待されている。
プロジェクトは日本企業が初めてアフリカで鉄道・港湾建設と運営を行うプロジェクト。アフリカは経済発展に伴う膨大なインフラ整備需要が見込まれており、日本企業の進出意欲も高まっている。プロジェクトを契機として、日本企業のアフリカにおけるインフラビジネスへの参入拡大が見込まれる。