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日本ピグメント、約25億円投じて新工場を建設、液晶パネル内フィルタの海外需要拡大に対応

 日本ピグメントは11月22日、液体分散体(以下LD)の主に海外での需要拡大に対応し、埼玉県(児玉郡神川町)に新工場を建設することを決定したと発表した。2019 年春の稼働開始に向けて準備を進めている。土地取得、建屋建設及び生産ライン設置の投資額は約25 億円で、稼働開始によりLD の年間生産能力は現在の4 倍となる。

 LD の主な用途は、テレビやスマートフォン等の画面に採用されている液晶パネル内カラーフィルター(以下CF)であり、韓国や台湾のレジストメーカー向けを中心として今後も需要拡大が見込まれる。既に2018 年末から量産が開始される新たなテーマの検討も開始されているなかで、日本ピグメント埼玉川本工場(埼玉県深谷市)にある現存の生産設備がフル稼働状態にあることから新工場建設に踏み切るもの。

 今後、LD は有機EL、量子ドット、マイクロLED などの技術進歩に伴い、CF 以外の新たなディスプレー技術を支えるために必要とされる基幹材料としても期待されている。また、IOT 或いはAI 等の先端技術を支えるナノテクノロジーに欠かせないプリンテッドエレクトロニクス等の産業分野は一層重要度が高まると見られ、電気自動車、自動運転システムバーチャルリアリティ(VR)、ウェアラブル情報端末などの様々な分野で先端技術素材として活用されるLD の需要は確実に高まるものと期待している。

 なお、日本ピグメントは2016 年3 月に中期経営計画「Challenge 2020」を発表し、3 つの基本方針「次世代に向けた成長戦略の舵取り」、「経営基盤の強化」、「ブランド価値向上」を掲げており、今回の新工場建設はこのうちの「次世代に向けた成長戦略の舵取り」で目標としていた取組みの一つ。また一方で、現在の主軸であるコンパウンド事業の採算性改善を目的として今期は生産設備5 ラインの入れ替えを実施中であり、これにより生産性を向上しつつ、高機能コンパウンド品への転換を進めている。

<新工場の概要>

所在地:埼玉県児玉郡神川町

工場規模:敷地面積 9,260 ㎡

建築面積:1,590 ㎡ (工場棟、事務棟等)

生産ライン数:20 ライン(予定)

総投資額:約25 億円 (土地取得、建屋建設及び生産ライン設置等)

生産品目:液体分散体

稼働開始:2019 年春

 ニュースリリース

 

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