■超々臨界圧ボイラーおよび排煙脱硫装置を供給
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は11月16日、東芝グループおよび韓国・現代建設(Hyundai Engineering & Construction Co., Ltd.)とのコンソーシアムによりインドネシアで受注したチレボン(Cirebon)石炭火力発電所拡張プロジェクトの建設工事に着手したと発表した。ジャワ島西部(西ジャワ州)に、出力100万kWの大規模超々臨界圧石炭火力発電所を、EPC(設計・調達・建設)契約に基づきフルターンキー方式により建設するもので、MHPSは超々臨界圧ボイラーおよび排煙脱硫装置を供給する。発電所の商業運転開始は2022年の予定。
今回の超々臨界圧火力発電所は、丸紅、東京電力グループと中部電力による合弁会社の㈱JERA、インドネシアのエネルギー企業インディカ・エナジー(PT. Indika Energy Tbk)、韓国の石炭企業サムタン(Samtan Co., Ltd.)および発電企業の韓国中部発電(Korea Midland Power Co., Ltd.)が共同で出資するPT. Cirebon Energi Prasarana(CEPR)がチレボンに建設するもの。MHPSらコンソーシアムは、2015年にCEPRとEPC契約を締結した。丸紅ほかが同地で商業運転している出力66万kWの石炭火力IPP事業の拡張を目指すプロジェクトで、運転開始後は、長期売電契約に基づいて同国の国営電力会社PT.PLN(Persero)(PLN社)に電力を供給し、既設発電所とともに同国の旺盛な電力需要に応えていく。
MHPSは、超々臨界圧ボイラーと排煙脱硫装置などを製作・供給・調達するほか、試運転などを担当する。MHPSの湿式の排煙脱硫装置は、世界シェアNo.1を誇っており、環境負荷低減に貢献している。
MHPSは、インドネシア市場向けに1971年に蒸気タービンを初めて出荷して以来、現在までおよそ50年にわたり緊密な関係を築いて同国の電力供給整備の一翼を担い続けている。2006年には同国初となるM701F形ガスタービン2基をチレゴン(Cilegon)ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所に納入するなど、石炭焚き・ガス焚き発電設備ともに多くの納入実績を有しており、今回のプロジェクトも現在建設中のジャワ 2(Jawa-2)GTCC発電所プロジェクト、ムアラカラン(Muara Karang)GTCC発電所プロジェクト、セントラルジャワ (Central Java)石炭火力発電所プロジェクト、タンジュン・ジャティB (Tanjung Jati-B)石炭火力発電所再拡張プロジェクトとともに、PLN社が国内電源整備計画において最も重視するジャワ–バリ(Jawa-Bali)系統の電力供給網拡充に貢献するもの。
MHPSは、石炭火力発電分野で、高い発電効率によってCO2排出量も抑制する豊富な実績を有している。今後も、高効率の石炭火力発電設備の需要増加が期待されるインドネシアをはじめとする広範な国・地域で積極的な営業を展開し、電力の安定供給と環境負荷の低減に貢献していく。