■モノづくり力の基盤強化で顧客ニーズに貢献
愛知製鋼は11月15日、特殊鋼鋼材のさらなる生産性・品質向上を目的に、鋼材生産プロセスをスルーで改革する「鋼材4Sリエンジ(注)」である「精整リエンジ」(知多工場内)が完了したことに伴い、竣工式を行ったと発表した。
精整リエンジは、既に実施した製鋼工程の大断面連続鋳造機更新(Part1)、分塊圧延工程のリエンジニアリング(Part2)、に続く、生産プロセス改革のPart3。
精整工程は、鋼材の外観検査や内部検査を行う最終工程であり、顧客が要求される品質に大きく関わる重要工程。具体的には、前工程である圧延工程から精整工程の物流を直結する鋼材水冷設備を新設し、圧延された鋼材を短時間で冷やすことで、工程間の物流を改善すると共に、精整工程のさらなる生産性向上のために精整Aラインを新設した。
これにより、圧延・精整工程間にある半製品の平均滞留日数を半減し、顧客への出荷リードタイムを短縮するとともに、検査精度向上による品質のレベルアップを図る。また、精整工程が5ライン体制となり、サイズ構成・生産量変化への対応力向上を図るとともに、緊急時の代替生産にも同時に対応させることで、BCP(事業継続計画)をこれまで以上に強化していく。
このような、圧延・精整間の直結化を実現するラインは業界初であり、同社の特殊鋼鋼材の競争力強化に大きく貢献する。同社は引き続き、品質・コスト競争力に優れた製品をタイムリーに提供することで、顧客ニーズに確実に応えていく。
(注) 4Sリエンジ=Simple Slim Short Straight を目指したプロセス改革
<投資概要>
投資額:約35億円
着工:2015年11月
稼動開始:2017年11月
生産品目:特殊鋼鋼材
生産能力:精整Aライン:13,000トン/月