ソディックが11月14日に発表した2017年12月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高424億800万円、営業利益42億600万円、経常利益44億6,600万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億5,900万円となった。(決算期を3月から12月に変更したこと等により、前年同期比較は記載無し)
ソディックは、9月にドイツ・ハノーバーで開催された世界的な工作機械展示会「EMO 2017」で大型の金型加工・部品加工に適したワイヤ放電加工機の新機種「ALC800G」を世界初出展するなど、積極的な営業活動を展開した。また、ベトナムでの「MTA VIETNAM 2017」やフィリピンでの「PDMEX2017」など世界各地の展示会に出展しブランド力の強化に努めた。
研究開発では、自動車、航空宇宙、エネルギー、電気電子関連等の大型金型及び大型部品加工に対応したリニアモータ駆動ワイヤ放電加工機「AL800G」を開発、販売を開始した。また、昨年リリースした型締力100トンの電動射出成形機「MS100」に、50トン及び200トンサイズを新たに開発、大小のラインナップを拡充し、成形機市場のボリュームゾーンでの拡販を目指している。
ソディックの業績は、国内では3月に採択されたものづくり補助金に係る受注が売上増加に寄与したほか、自動車、スマートフォン関連から受注も堅調。北米は、自動車、航空宇宙、医療機器、エネルギー関連の需要は一服感。欧州はロシア・トルコ等の一部の地域では停滞感。一方、ドイツ、イギリス、イタリアを中心に自動車、航空宇宙関連からの需要が堅調だった。
中国は、ものづくりの高度化及び自動化対応等の影響を受け高精度機の需要が拡大していることに加え、政府の補助金政策も後押しとなり高水準の受注が継続。アジア地域も自動車、スマートフォン、半導体関連などで回復基調にある。
2017年12月期連結業績予想は、4~9月期業績が当初予想より上回ったことや足元の受注動向が堅調に推移していること等を踏まえ、売上高605億円(前回予想558億円)、営業利益60億円(同53億円)、経常利益63億円(同52億円)、親会社株主に帰属する当期純利益43億円(同37億円)と修正した。
為替レートは、1ドル112円、1ユーロ132円を前提としている。
■セグメント別業績
<工作機械事業>
国内では、3月に採択されたものづくり補助金に係る受注が売上増加に寄与したほか、自動車、スマートフォン関連からの受注は堅調だった。海外は、北米は底堅く推移していた自動車、航空宇宙、医療機器関連の需要に一服感が見られた。欧州は、ロシアやトルコ等では停滞感がある一方で、ドイツ、イギリス、イタリアを中心に自動車、航空宇宙関連が堅調に推移した。
中国では、ものづくりの高度化や自動化対応、中国政府の補助金政策の影響もあり、電動化が進む自動車関連や高度化するスマートフォン関連を中心に高水準な受注、販売が継続している。アジア地域、タイやマレーシアを中心に自動車関連の需要が拡大基調にあるほか、韓国でも半導体やスマートフォン関連の需要が見られた。
この結果、同事業の売上高は314億9,400万円となった。
<産業機械事業>
国内では車載用コネクタやセンサー部品、スマートフォン用光学レンズやコネクタなど高付加価値部品向けの需要が旺盛だったほか、自動車用大型部品向けに大型成形機の需要も見られた。海外では、北米はやや減速していた医療機器・自動車関連の需要は持ち直しの動きが見られた。中国、アジア地域は、スマートフォン及び車載カメラ用光学レンズの成形や防水対応用のシリコーン成形の需要が好調に推移した。
この結果、同事業の売上高は65億3,100万円となった。
<食品機械事業>
食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造・販売、その保守サービスを行っている。国内は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット及び外食チェーン店向けを中心に、高品質な調理麺の製造設備が引き続き堅調であったほか、健康志向の高まりによる豆腐麺等ユニークな麺製造のための需要や、製麺設備の一部を応用した米飯の炊飯装置の需要も見られた。海外も、ロングライフ麺や米飯の炊飯装置等の需要が見られた。受注及び納入は概ね計画通り順調に推移したが、平均単価が比較的大きい同事業において、複数の案件で検収が第3四半期以降にずれ込んだため、売上高は通期計画に対して低調となった。この結果、同事業の売上高は14億9,300万円となった
<その他>
その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造・販売を行う要素技術事業、放電加工機、マシニングセンタ及び射出成形機などのリース事業から構成されている。
精密金型・精密成形事業は、引き続き自動車関連から旺盛な需要あったほか、活況な半導体装置向けにセラミックスの販売も堅調に推移した。この結果、同事業の売上高は28億8,800万円となった。