アマダホールディングスが11月14日に発表した2018年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、受注高1,540億円(前年同期比15.6%増)、売上高1,340億円(同6.9%増)といずれも前年同期を上回った。国内は、大手企業を中心に設備投資が堅調に推移し、また中小企業も「ものづくり補助金」効果により板金部門やプレス部門が底堅く推移した。一方で切削部門や工作機械部門が低調に推移したことで、国内売上高は583億円(同1.7%減)となった。
海外は、米国の設備投資の好調な推移や、欧州での設備投資の持ち直しの傾向が見られた。このような背景に加え、円安の影響や主力のファイバーレーザ商品の販売の増加などにより、海外売上高は756億円(同14.6%増)となった。
損益面は、新商品の投入や製造合理化によるコスト削減に取り組んだことで、営業利益は151億円(同8.5%増)、経常利益は為替差益の影響などにより、170億円(同32.3%増)、また親会社株主に帰属する四半期純利益は120億円(同40.5%増)といずれも増益となった。
<金属加工機械事業>
金属加工機械事業の受注高は1,271億円(前年同期比16.3%増)、売上高は1,105億円(同7.8%増)となった。
板金部門は、国内はOA機器や通信機器などの電気電子機器向けの販売が好調だった。商品別では、省力化ニーズの増加によりベンディング自動化商品の販売が拡大。海外では、欧米での販売が堅調に推移したことに加え、新商品を投入したファイバーレーザ商品の販売が拡大したことで、売上高974億円(同6.7%増)。溶接部門は、アジアや欧州地域を筆頭にレーザ溶接装置などの販売拡大が続き、売上高は130億円(同16.9%増)となった。
営業利益はファイバーレーザの新商品投入や製造合理化によるコスト削減に取り組んだことにより、113億円(同9.8%増)となった。
<金属工作機械事業>
金属工作機械事業では、昨年に事業再編の一環として、ASEAN域内におけるアマダHDグループ事業の統括本部をタイに設置し、併せてアセアンテクニカルセンターの新設を行ったこともありASEAN域内において販売が好調に推移し、受注高は262億円(前年同期比12.3%増)、売上高は228億円(同2.5%増)となった。また営業利益は35億円(同4.8%増)と増益となった。
■地域別の状況
日 本:板金部門は、大手企業を中心に堅調に販売が推移し、特に自動化設備需要増によるベンディング自動化商品の売上が増加したことで底堅く推移した。一方で切削部門や工作機械部門が低調に推移したため、売上高は583億円(前年同期比1.7%減)となった。
北 米:米国における設備投資の好調な推移を背景に、ファイバーレーザ商品を筆頭に板金部門の販売が好調に推移したことにより、売上高は249億円(同14.4%増)となった。
欧 州:欧州における設備投資の持ち直しなどの経済成長により、フランスやイタリアなどの西欧が板金部門を中心に販売が好調に推移した。また、ポーランドにテクニカルセンターを新設した東欧や北欧などの販売が堅調に推移したことで、売上高は249億円(前年同期比13.5%増)となった。
アジア他:中国では自動車向けや通信インフラ向けの需要の増加もあり、溶接部門の販売が好調を継続した。インドも好調であり、また資源価格の持ち直しによりオセアニアや南アフリカなどの資源国の板金部門の販売も回復し、売上高は258億円(前年同期比15.9%増)となった。
<2018年3月期連結業績予想>
2018年3月期連結業績予想については、4~9月期において北米やフランス、イタリアなどの欧州における板金部門の販売が当初の想定を上回ったことや、通期の予想為替レートを円安に修正したことにより、5月12日公表値を修正した。
売上高2,950億円(前回予想2,850億円)、営業利益370億円(同340億円)、経常利益400億円(同360億円)、親会社株主に帰属する当期純利益290億円(同265億円)となる見通し。
前提となる第3四半期以降の為替レートは1米ドル=108円、1ユーロ=125円を想定しており、通期の平均レートは1米ドル=109.54円、1ユーロ=125.65円となる。
アマダホールディングスは、昨年、創業70周年を迎えるにあたり、次の10年そしてその先の100年企業を見据え、強固な体制構築に取り組むため、2016年度から2020年度までの中期経営計画「Task 321」を策定した。
この「Task321」の実現に向けて、積極的な戦略投資を実施し、販売ネットワークの拡大や商品力の強化、新たなビジネスモデルの確立による成長戦略の実行、開発・製造一体となったモノづくり改革の推進やIoTを活用したサプライチェーン・マネジメント(SCM)構築による、さらなる収益性と効率性の向上や、併せてバランスシート改革による資本生産性の向上も図っている。これらの成長性、収益性、資本の効率性を高めていくことで、「Task 321」の達成を目指している。