■年間13万台以上は確実、2020年まで12~16万台で安定との見方も
中国工程机械工業協会など現地筋によると、中国における2017年10月の油圧ショベル販売台数は前年同月比81%増の10,541台、うち国内は81%増の9,661台、輸出は85%増の871台となった。昨年6月から17カ月連続プラス、40%以上の高い伸びは8月から15カ月続いている。
また、1~10月累計では前年同期比98%増の11万2,476台。うち国内は同107%増の10万4,952台、輸出は同28%増の7,478台。11月と12月の2カ月も前年比80%増で推移すれば、13万7,000台に達することになる。
中国の油圧ショベルは、中国政府のサポートと更新需要により、1年半にわたり前年同月を上回っている。政府のインフラ投資、更新需要、昨年が低水準だったこと、世界的な建機需要の回復による輸出増――。これら複合的にプラス要因が重なり、高い回復を示していると見られている。
国家発展改革委員会(発改委)と交通省は、鉄道、高速道路、水路、空港、都市鉄道の303プロジェクトを2016年から2018年までの間に推進することに焦点を当てると明言しており、「交通インフラの主要インフラ整備のための3年間の行動計画」を共同で発表している。約4.7兆元の投資、そのうち2018年は1.3兆元に達しているといわれている。
建設機械業界を取り巻く環境は、当面、国内外の経済情勢、環境保護政策、在庫・設備更新、鉱業投資、不動産建設、インフラ建設・都市化など明るいとされているが、不動産投資の成長と環境保護政策の低下は、業界に不確実性をもたらす面もある。これらを総合的にみると、2018〜2020年の油圧ショベルの販売台数は12〜16万台で、市場全体として安定するとの見方も出ている。(参考:販売シェアは1~9月の推定)