日立建機とテラドローン(本社:東京都渋谷区)は10月30日、一般財団法人総合研究奨励会 日本無人機運行管理コンソーシアム(Japan UTM Consortium:以下 JUTM)が主催する、複数事業者が同時に行う無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle:以下 UAV)の運行管理デモンストレーション(10月26日、福島県南相馬市で実施)に参画したと発表した。
UAVは、土木・建築、物流、農業、測量や設備点検など、さまざまな分野での活用が期待され、近年、具体的なサービスの実証や導入が進んでいる。今後、より多くのUAVが、社会活動の中に取り込まれ、多様な用途で運用されるためには、飛行における安全の確保が重要。
JUTMは、2016年7月の設立以来、UAVの安全運航の実現を図り、必要な技術課題についての分科会を立ち上げ、同一空域において複数のUAVが、平時および災害時に安全に活用されるため、利用者間での使用電波や、飛行空域の調整、リアルタイムの飛行情報に基づいた運航管理のシステムやルールの構築を進めている。
日立建機は、国土交通省が推進するi-Construction(アイ・コンストラクション)への対応など、土木・建築分野でのUAVの活用を図るため、同分科会に参画している。今回のデモンストレーションでは、平時および災害時でのUAVの利活用と、そのリスクを想定したシナリオの下、9社2研究機関のUAVが、電波および空域管理の機能を実装した運行管理システムでつながり、飛行試験およびデモンストレーションを実施した。
日立建機およびテラドローンは、「運行管理システムを活用したi-Constructionにおけるドローン土木測量」をテーマに参画し、2社に必要なデータの取得のみならず、日本におけるUAV活用の安全な未来と、UAVの運航管理システム構築に必要な実績と各種データの取得に貢献した。
今後も、日立建機は、i-Constructionのめざす生産性向上のため、測量、設計・施工計画、施工、検査および維持管理・更新までの各工程において、自社のみならず顧客やビジネスパートナーの3Dデータの活用を推進し、顧客に提供するソリューションの充実とi-Constructionの一層の普及に貢献していく。
テラドローンは、さらなるUTMの開発を進めるとともに、高精度なドローンの写真測量・レーザー測量、3Dデータ作成技術を生かし、今後のi-Construction推進、ひいては建設業界全体の効率化、省力化に貢献していく。