■受注は航空宇宙、精密機械、プラント・環境が増加、売上は精密機械やガスタービンが増収
川崎重工業が10月27日に発表した2018年3月期第2四半期(4~9月)連結業績によると、連結受注高は前年同期比1,284億円増加(24%増)の6,669億円、連結売上高は前年同期比124億円増収(2%増)の7,097億円、営業利益は前年同期比76億円増益(92%増)の161億円、経常利益は前年同期比168億円改善(前年同期▲17億円)して151億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比110億円改善(同▲2億円)して108億円となった。
連結受注高は、航空宇宙事業、精密機械事業、プラント・環境事業を中心に増加となった。連結売上高は、精密機械事業やガスタービン・機械事業が増収となる一方で、プラント・環境事業が減収となったことなどにより、全体では前年同期比で微増となった。利益面は、精密機械事業での増益や船舶海洋事業での改善などにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも増益となった。
2018年3月期の連結業績については、連結売上高は、航空宇宙事業における民間航空機向け分担製造品の増加、精密機械事業における建設機械市場向け油圧機器の増加の他、為替前提レートの見直し等により、前回(7月31日)公表値から350億円増加の1兆5,900億円となる見通し。
利益面は、船舶海洋事業におけるLNG運搬船の納期・コストの見直し等により悪化が見込まれるものの、航空宇宙事業、精密機械事業における売上の増加に伴う利益の増加や収益改善の進捗等により、連結営業利益620億円、連結経常利益555億円、親会社株主に帰属する当期純利益380億円となる見通し。
また、連結受注高は、航空宇宙事業、精密機械事業で増加が見込まれることから、前回公表値から600億円増加の1兆6,200億円、ROICは6.4%、ROEは8.4%となる見通し。
なお、業績見通しにおける為替レートは、1ドル=110円、1ユーロ=130円を前提としている。~以下、事業部門別概況
<船舶海洋事業> 連結受注高は、LPG運搬船やジェットフォイルの受注により、前年同期に比べ77億円増加の163億円。連結売上高は、修繕船の工事量減少により、前年同期に比べ65億円減収の450億円。営業損益は、貸倒引当金の追加計上や受注工事損失引当金の繰入れ増があった前年同期に比べ、112億円改善して51億円の営業損失となった。
<車両事業> 連結受注高は、バングラデシュ向け都市高速鉄道車両の受注により、国内向け地下鉄車両などを受注した前年同期に比べ106億円増加の684億円。連結売上高は、国内向けが増加した一方で、シンガポールなどアジア向けが減少したことなどにより、前年同期に比べ13億円増収の636億円。営業損益は、高採算案件の減少などにより、前年同期に比べ2億円悪化して9億円の営業損失となった。
<航空宇宙事業> 連結受注高は、防衛省向けの増加などにより、前年同期に比べ524億円増加の1,513億円。連結売上高は、防衛省向けが増加した一方で、民間航空機向け分担製造品が減少したことなどにより、前年同期に比べ4億円減収の1,685億円。営業利益は、民間航空機向け分担製造品の収益性低下などにより、前年同期に比べ83億円減益の117億円となった。
<ガスタービン・機械事業> 連結受注高は、天然ガス圧縮機設備の増加などにより、前年同期に比べ68億円増加の1,094億円。連結売上高は、航空エンジン分担製造品の増加などにより、前年同期に比べ95億円増収の1,162億円。営業利益は、増収により前年同期に比べ13億円増益の43億円となった。
<プラント・環境事業> 連結受注高は、ごみ処理施設にかかる運転管理業務の増加などにより、前年同期に比べ192億円増加の536億円。連結売上高は、海外向け化学プラントの工事量減少などにより、前年同期に比べ248億円減収の537億円。営業損益は、減収により前年同期に比べ19億円悪化して2億円の営業損失となった。
<モーターサイクル&エンジン事業> 連結売上高は、先進国向け二輪車や汎用エンジンが増加した一方で、新興国向け二輪車の減少により、前年同期に比べ84億円増収の1,369億円。営業損益は、増収による増益などにより、前年同期に比べ3億円改善して20億円の営業損失となった。
<精密機械事業> 連結受注高は、建設機械市場向け油圧機器の増加により、前年同期に比べ210億円増加の924億円。連結売上高は、建設機械市場向け油圧機器や各種ロボットの増加などにより、前年同期に比べ212億円増収の869億円。営業利益は、増収により前年同期に比べ51億円増益の90億円となった。
<その他事業> 連結売上高は、前年同期に比べ36億円増収の385億。営業利益は、前年同期並みの14億円となった。