三井海洋開発(本社:東京都中央区)は10月20日、ブラジルの国営石油会社であるPetroleo Brasileiro S.A. (ペトロブラス社、本社:リオデジャネイロ市)より、FPSO (Floating Production, Storage & Offloading System:浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)1基の建造及びチャーター契約を受注したと発表した。受注額は一部報道によると、約1,500億円。
FPSOは、ペトロブラス社がオペレーターを務めるSepia(セピア)鉱区の開発プロジェクトに用いられる。ブラジル・リオデジャネイロ沖合約250kmのSantos(サントス)海盆内に位置するSepia鉱区は、海底下約5,000mのプレソルト層(岩塩層直下の層)にある海底油田の一部。
日量18万バレルの原油生産能力、日量212百万立方フィートのガス生産能力、日量24万バレルの水圧入能力、140万バレルの原油貯蔵能力を持つFPSOは、三井海洋開発米国子会社のSOFEC, Inc.社が設計・建造するSpread Mooring(スプレッド・ムアリング:多点係留)と呼ばれる係留設備で、水深約2,200mの海上に係留される。
三井海洋開発は、FPSOの設計から機器購入、建造、据付までの一括工事を請け負う。また、FPSOは、完成後に三井海洋開発の関連会社が保有し、ペトロブラス社に対する21年のチャーターサービス (リース及び運転・保守点検等のオペレーション)に供される。
このFPSOは、三井海洋開発にとって13基目のブラジル向けプロジェクトであり、また同国プレソルト層深海鉱区開発用としては6基目のFPSOの受注となる。