日本生命保険は10月19日、オーストラリア連邦ビクトリア州メルボルン市における海水淡水化プラント運営プロジェクトへ1億7,600万豪ドル(約156億円)の融資を実行したと発表した。オーストラリアでのプロジェクトへの融資は同社初となる。
プロジェクトは、歴史的に大規模な干ばつが繰返し発生しているオーストラリアにおける渇水対策を目的とした官民連携プロジェクト(PPP)で、プラントは人口約460万を有するメルボルン市の年間水使用量の約1/3を賄うことができる世界最大級の海水淡水化施設。また、プラントの稼働に必要な電力は、ビクトリア州内の風力発電による再生可能エネルギーで賄われている。
融資は、長期間にわたって魅力的な利回り獲得が期待できることに加え、2012年に竣工したプラントの安定運営を支える借換資金を提供するもので、ビクトリア州での渇水対策の一翼を担うプロジェクトを支える社会的意義の高い取り組みと考えている。同社はシンジケートローンの組成段階から参加し同社の融資額は今回の借換総額の2割超を占める。
なお、日本生命は昨年度、国連責任投資原則への署名を行っているほか、中期経営計画「全・進-next stage-」(2017-2020)において、4年で1.5兆円の成長・新規領域への投融資を目指す中でESG債等への投融資2,000億円を目標としており、社会貢献領域へ資金提供を行う今回の融資もその一つと位置付けている。
<案件概要>
調印日:2017年10月10日
当社融資額:176百万豪ドル(約156億円、借換総額766百万豪ドルの23%)
<施設概要>
所在地:オーストラリア連邦ビクトリア州ウォンサッギ
プラント面積:32ヘクタール
主要施設:海水淡水化プラント、給水パイプライン、海水取水排水トンネル
造水能力:1,500億リットル/年(約40万トン/日)
竣工:2012年12月
プロジェクト終了:2039年9月(予定)