kikai-news.net

JOGMEC、南アのウォーターバーグ白金族プロジェクト、開発に向けてインパラ・プラチナム社と戦略的提携

 JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は10月17日、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域北部において、カナダのプラチナム・グループ・メタルズ社(PTM社)と共同で実施しているウォーターバーグ白金族金属JVプロジェクトにおいて、南アフリカ白金族金属生産量第2位のインパラ・プラチナム社(以下、インパラ社)を新たに開発パートナーとして迎え入れ、プロジェクトを実施していくと発表した。同社の参画により、南アフリカにおける鉱山操業の豊富なノウハウと、地金の精錬能力がプロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まることが期待される。

 JOGMEC は2011年11月に同地域で初めて*白金族金属鉱床を発見し、その後の探査結果に基づくプレ・フィージビリティ・スタディ(2016年11月発表)において、良好な評価を得た。1オンスあたりの生産コストは、南アフリカ共和国ブッシュフェルド地域で現在生産されている白金族鉱山と比較しても、最も競争力の高いプロジェクトのひとつであると評価されている。

 このほど、同プロジェクトに南アフリカ白金族金属生産量第2位のインパラ社を新たに開発パートナーとして迎え入れることとなり、同社の参入完了後、同社がプロジェクトのオペレータを担うことになる。

 インパラ社は、1960年代から同国で白金族金属ビジネスに従事しており、同社の参画により、南アフリカにおける鉱山操業の豊富なノウハウと、地金の精錬能力が同プロジェクトに付加され、一段と開発実現性が高まることが期待される。

 プロジェクトは現在、最終フィージビリティ・スタディの確度を向上させるための追加試錐を実施中で、今後はインパラ社との共同検討をふまえ採掘法や鉱石処理法、社会環境対策、インフラ施設、経済性などの定量評価を加速させる。

 JOGMECは同プロジェクトからインパラ社が生産する地金全量の購入権を確保しており、これは将来の日本の白金族金属の安定供給に資するもの。今後、契約における地位の入札を通じて日本企業への本プロジェクト権益の引き継ぎを目指す。

 今後とも資源探査を通じて南部アフリカでの新しい鉱物資源探査の情報を提供し、我が国企業が関与する鉱山開発の促進に貢献していく。

*白金族金属:プラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムおよびオスミウムの 6元素の総称。特にプラチナおよびパラジウムは、自動車用排ガス触媒として産業用用途として重要な役割を果たす。

[参考]今回のインパラ社参入による合意内容

Step 1

 インパラ社はJOGMECおよびPTM社から計15%(JOGMEC6.4%、PTM社8.6%)の権益を現金US$30Mで獲得。インパラ社はこれにより本プロジェクトに参入し、15%の権益および最終FS承認後90日以内に追加35.01%を買い増すオプションを獲得する(Step1後のJOGMEC権益は21.95%)。

Step 2

 インパラ社が35.01%を買い増すオプションを行使した場合、同社は機構の権益12.195%を現金US$34.8Mで取得し、さらにJV会社へUS$130Mの単独資金拠出を実行、JOGMECおよびPTM社の権益希釈により計22.815%(JOGMEC4.755%、PTM社18.06%)を獲得し、以後オペレータを務める(Step2後のJOGMEC権益は5.00%)。

 ニュースリリース

 

モバイルバージョンを終了