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JFEエンジニアリング、「JFEバラストエース®」USCG試験を完了

■米国寄港船舶も含め世界中の船舶をフルサポート

 JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は10月5日、バラスト水処理装置※1「JFEバラストエース®」の米国沿岸警備隊(USCG)型式承認に必要な陸上試験、船上試験を完了したと発表した。今後、試験機関で試験データを取りまとめ、USCGに承認申請される。当局の審査後、JFEエンジニアリングは速やかな型式承認取得をめざす。

 「JFEバラストエース®」は、バラスト水を船内へ取り入れる際にフィルターでろ過し、さらに薬剤処理により海洋生物を除去するシステム。処理が確実で、装置がシンプルで扱い易く、故障リスクが低いなどの特長が評価され、2010年5月の国際海事機関(IMO)条約に基づく型式承認取得※2以来、累計約500隻の船舶に納入済み。

 バラスト水処理規制については、2004年にIMOが管理条約を採択し、2017年9月8日に発効した。一方で、米国は独自に厳しい規制を制定しており、米国寄港船舶にはUSCG型式承認を取得した処理装置の搭載が必須とされている。※3。

 IMO条約及びUSCG規制へ対応するため、今後約7年間※4のうちに全ての外航船舶にバラスト水処理装置の搭載が行われる。JFEエンジニアリングは、今後もあらゆる船種・船型の船舶に搭載でき、運用も容易で最適なシステムを提案、世界の海洋生態系の保全に貢献していく。

               

※1 バラスト水とは船舶がバランスを保つために保持する海水であり、通常、荷揚港で船底のタンクに注水し荷積港で排出される。バラスト水処理装置はバラスト水とともに運ばれてしまう海洋生物を処理し生態系の破壊を防ぐシステム。

※2 IMOバラスト水管理条約では、IMOの最終承認(G9承認手続き)を得た後、監督官庁の型式承認(G8承認手続き)を経て初めて船舶に設置可能となる。「JFEバラストエース®」は2010年3月にIMOのG9最終承認を取得、2010年5月に国土交通省の型式承認を取得し商用化。

※3 USCG型式承認取得までの暫定措置として、USCGはIMO条約に基づく型式承認装置に対してAMS(Alternate Management System)承認を行っている。AMS 承認は、個船ごとに設定されたUSCG規制開始から5年間有効で、米国寄港が可能。「JFEバラストエース®」は、AMS承認を2013.10取得済み。

※4 新造船、就航船で設置義務の期限が異なるが、すべての外航船舶について遅くとも2024年9月8日までに搭載せねばならないとIMOが規定している。

 ニュースリリース

 

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