JXTGエネルギーは9月27日、2019年3月末をもって、室蘭製造所での石油製品および石油化学製品の生産を停止したうえで、同年4月より、北海道を中心とした石油製品の物流拠点(出荷基地)として事業を再構築(以下、事業所化)すると発表した。
国内石油製品の構造的な需要減退やアジアを中心とした国際競争が激化するなど、石油業界を取り巻く環境が一層厳しさを増す中、今年4月のJXエネルギーと東燃ゼネラル石油との経営統合により、JXTGエネルギーは国内16カ所に製油所・製造所を有することとなった。
このような中、統合以降、安全・安定操業および安定供給を前提にさらなる競争力強化を図るべく、製油所・製造所の新たな最適生産・供給体制について様々な検討を重ねた結果、室蘭製造所の事業所化が必要であるとの結論に至った。
室蘭製造所は、2014年の原油処理停止以降も、石油化学製品を中心とした生産拠点として、高機能化・高付加価値化を追求するとともに、石油製品の重要な物流拠点として、灯油をはじめとする石油製品の安定供給に努めてきた。今後も備蓄タンクの能力増強を行うなど、北海道を中心とした石油製品の安定供給に向け、万全の体制を構築する。
JXTGエネルギーは、コア事業である石油製品・石油化学製品事業におけるサプライチェーン全体の競争力強化、さらにはアジア諸国との国際競争にも打ち勝てる基盤を早期に構築すべく、今後も安定供給を前提に最適な生産・供給体制の構築を推進していく。
<今後のスケジュール>
2019年3月31日 全製造設備を停止
2019年4月1日~ 室蘭事業所として運営開始
[主な事業内容]石油製品の受入・備蓄・出荷(油槽所機能)
<室蘭製造所の概要>
1.所在地:北海道室蘭市陣屋町一丁目172番地
2.沿革
1956年 「室蘭製油所」操業(原油処理能力:7,500バレル/日)
1973年 原油処理能力を110,000バレル/日に増強
1999年 原油処理能力を196,000バレル/日に増強
2001年 原油処理能力を180,000バレル/日に削減
2008年 キュメン製造設備を新設(石油化学製品原料)
2014年 原油処理停止、「室蘭製造所」へ名称変更
<JXTGエネルギーの製油所・製造所体制>は、→ ニュースリリース