㈱ダイヘンは9月26日、産業用ロボット アルメガフレンドリーシリーズ用に、簡単な教示で複雑な溶接線を高精度に自動検出し、狙い位置・姿勢・溶接条件を最適に調整することが可能なレーザトラッキングセンサ「FD-QT」を開発、9月より発売したと発表した。建築や鉄道車輛などの大型構造物の溶接自動化に最適で、センサがロボットの目の役目を果たすため、生産性と溶接品質の向上・教示時間の大幅な短縮に役立つとしている。メーカ希望価格(税抜)は、390万円で、年間100台の販売を見込んでいる
オリンピック・震災復興需要でインフラ関連業界は引き続き好調。中国やインドでのインフラ整備の拡大に伴い建設機械や鉄道車輛業界も繁忙傾向となっている。これら業界の溶接現場では若者離れや熟練溶接技能者の減少が進み人手不足となっており、ロボットによる自動化ニーズが一層高まっている。一方で建築や鉄道車輛は大型構造物で、その溶接部位を正確に教示するには手間がかかり、部材寸法のばらつきや溶接中の熱歪みにより溶接位置が変わるため、ロボットへ作業者の目の役目となるセンサを付加し知能化することが望まれていた。
ダイヘンでは、溶接機と溶接技術のトップメーカとして培った技術を基に、安定計測できるカメラ技術、ならびに位置・姿勢の経路自動生成技術を自社開発し、アーク溶接時の悪環境や部材の表面状態に影響されず、既設のロボットに後付けもできるシステムを製品化した。