日立造船は9月20日、公益財団法人 水道技術センターにより、浄水処理装置「AQSEV(アクセブ)メンブレンフィルター」の長尺膜モジュール搭載機種において、浄水用設備等技術認定を取得したと発表した。
浄水用設備等技術認定とは、浄水施設に用いられる設備または資機材について、公益財団法人水道技術研究センターが認定する技術認定で、浄水用設備等に係る技術研究開発およびその普及促進を目的に実施されている。
2015年には浄水量が400㎥/日以下の小型2機種(AMF-180S、AMF-275S)の認定を取得した。今回は400㎥/日以上の長尺膜モジュール搭載の3機種(AMF-600S、AMF-1000S、AMF-1600)において認定を取得することとなり、幅広く浄水量に応じたラインナップを取り揃えた。
「AQSEVメンブレンフィルター」は国内・海外の浄水施設の膜ろ過装置として、また被災地での緊急用浄水装置としても供給しており、世界の安心・安全な水の供給に貢献していく。
■「AQSEVメンブレンフィルター」の概要
従来の膜ろ過装置は、膜モジュールと機器、各種水槽を配管で繋ぐ構成であるため、広い設置スペースと現地での組立工事が必要とされていたが、「AQSEVメンブレンフィルター」は、配管を極力省略し、構成する機器の省スペース化を実現した。装置は工場から完成品として出荷され、現地での組立工事が不要となるため、工期の短縮と製品の品質向上につながる。
従来の浄水処理施設のみならず、トラックに積載できるコンパクトな装置であるため、災害時の緊急対応で給水拠点等へ移送し、現地での応急浄水に用いることができる。自動運転では、膜ろ過、膜洗浄に加え、膜破断のトラブルに備え、破断した膜モジュールを自動で遮断し、運転を継続する機能を備えている。また、遠隔監視制御機能を標準装備しており、適切な運転管理を行うことが可能。
■主な適用事例:2016年10月には台風10号の被害を強く受け、一部の飲用水供給が困難になった北海道河東郡鹿追町向けに納入し、同地で給水支援を行った。
画像 左:AMF-180S(小型機種)、右:AMF-1000S(長尺膜モジュール搭載機種)