ヤマザキマザック(愛知県大口町)は9月14日、航空機部品などの高速・高精度加工を実現する同時5軸横形マシニングセンタ“HCR-5000S”を発表した。同社では9月18日から23日までドイツハノーバーで開催される欧州国際工作機械見本市(EMO Hannover 2017)に同機を出展、同日より全世界での販売を開始する。
HCR-5000Sは、同社が長年培ってきた横形マシニングセンタと同時5軸加工機のノウハウを盛り込み、高速・高精度加工を実現する機械として開発した。同時5軸加工で求められる複雑な軸移動に対し、高い応答性で駆動できる剛性を確保することで、サイクルタイムの大幅短縮を実現する。また、片持ちタイプのチルトロータリーテーブルの採用で加工領域直下に幅広いセンタートラフを配置する機械構造とした。クーラントタンクは大容量800Lを標準搭載し、大量のクーラントを吐出することで切屑を機内に滞留させることなくスムースに機外へ排出する。
主軸は標準の12000 min-1仕様から、航空機部品に代表されるアルミニウム素材の高速加工に最適な、高速・高出力の30000min-1・80kW仕様まで4種類をラインアップ、加工ニーズに合わせた仕様の選択が可能。直線軸のボールねじには軸心冷却を標準採用、主軸にも冷却機構を搭載し、さらに構造体であるベースを完全にカバーで覆うことで、クーラントなどによる急激な温度変化を抑え、高精度加工を長時間安定して行うことができる。
また、加工部品装脱着時のテーブルへの接近性や大型窓による機内視認性、保守ユニットの集中配置など、作業性や保守性にも配慮した機械設計となっている。