■木材利用促進や自然エネルギー活用につながる技術開発、長期ビジョン実現へ研究開発力強化
大建工業(大阪市北区)は9月13日、新たな研究開発拠点として「R&Dセンター(仮称)」の新設を決定したと発表した。投資額は約13億円。岡山工場(岡山市南区)敷地内で2017年12月着工、2018年7月竣工、同年10月より運用開始の予定。長期ビジョン「GP25(グロウプラン25)」に基づく事業拡大および新規事業開拓の取り組み推進に向け、研究開発拠点を強化することで、素材、製品、生産技術に関する研究開発力の強化、スピードアップを図る。
大建工業では、2015年に策定した長期ビジョン「GP25(グロウプラン25)」に基づき、「住宅用建材のメーカー」から「建築資材の総合企業」への躍進を目指して、素材事業、建材事業、エンジニアリング事業の拡大、および新規事業の開拓に取り組んでいる。そのような中、事業拡大および新規事業開拓の鍵となる新素材、新製品の開発促進を図るため、新素材開発などの基礎研究から、これを製品化していく応用研究、現行製品の技術改良、製造技術開発など全社的な研究開発を担う研究開発拠点として、岡山工場敷地内に「R&Dセンター(仮称)」を新設する。
現在、研究開発業務は、主に岡山工場敷地内にある総合開発研究所にて行っているが、今回、「R&Dセンター(仮称)」新設に伴い、他拠点並びに工場内に点在する実験設備・機器を移設、集約するとともに、新たな実験設備を導入し、研究開発の強化、効率化を図る。また、同敷地内にあるテクニカルスペース(製品の機能・技術面を訴求する展示施設)の機能を集約し、あわせて開発コンセプトや試作の展示スペースを設けることで、ステークホルダーとの対話や市場の声を開発に反映していく。これらにより研究開発力の強化、スピードアップを図る。
「R&Dセンター(仮称)」では、循環利用が可能な低環境負荷材料である木材の利用促進につながる技術、また、自然エネルギーを有効利用した省エネルギー住宅に寄与する技術など、社会的ニーズの高い環境関連技術等の開発および実用化を進め、当社が存在意義・志として掲げる「限りある資源の有効活用を通じてサステイナブルな社会の実現に貢献する」「より快適・安心な空間作りを通じて人々の心を豊かにする」を追求していく。
【R&Dセンター(仮称)開設の概要】
研究員間に活発なコミュニケーションが生まれるよう、研究者が一体となり執務できるワンプレートオフィスとし、議論・討議を促すコミュニケーションスペースを動線上に設置する。また、製品の機能・技術面を訴求する展示や、開発途上のコンセプト、試作を展示するスペースの設置など、研究員とステークホルダー間のコミュニケーションを促進する設計とする。加えて、実験室エリアの一部を外部の来場者にも見学できる「見せる(魅せる)研究所」とし、技術・開発力の訴求につなげる。
<DAIKEN R&Dセンター(仮称)概要>
所在地:岡山県岡山市南区海岸通2丁目5番8号
敷地面積:1,925m²
建屋概要:延床面積 4,710m² 鉄骨造 4階建
着工予定:2017年12月
竣工予定:2018年 7月
稼働開始予定:2018年10月
投資予定額:約13億円(固定資産投資額として)
設計・施工:株式会社竹中工務店
本件は、岡山県による「大型投資・拠点化促進補助金(R&D型)」制度、および岡山市による「再投資・拠点強化促進奨励金」制度の、ともに適用第1号案件として認定されている。
※岡山県大型投資・拠点化促進補助金:岡山県内への大型投資、拠点集約等を行う場合に交付される補助金。R&D型は、県内初となる先端的試験研究施設への投資が対象となる。
※岡山市再投資・拠点強化促進奨励金:岡山市において、操業開始後10年を経過した既存工場等の統合・集約による戦略的再投資及び拠点強化を図る事業を行う企業に対し、交付される補助金。