■モジュラーデザインを採用し、ベストセラー機SR-20Jをリニューアル
スター精密は9月7日、スイス型自動旋盤SRシリーズの新製品「SR-20JII」を開発し、2018年5月から販売を開始すると発表した。
2008年に販売開始した前身モデルの「SR-20J」は、高い機械剛性により、自動車、医療関連などのあらゆる分野の部品加工市場から、高評価を得ている。今回リニューアルした新製品は、開発および製造リードタイムの短縮を図るため、昨年発表した「SR-32JII」に続き、モジュラー設計・生産方式を採用している。
機械構造面では、正面加工用のクシ刃型刃物台に、前身モデルから引き続きスター精密独自のスラント型すべり案内面構造(注2)を採用。刃物台剛性を高めることで、安定した精度での長時間連続加工を可能にしている。
また、多様化が進む部品加工ニーズに柔軟に対応するため、ガイドブッシュ切換え機構を採用。材料の振れ止め装置の働きをして、モーターシャフトなどの全長寸法が長い部品を高精度で加工できるガイドブッシュ仕様と、廃棄される残材を短縮して、ナットなどの短い部品を無駄なく加工できるノンガイドブッシュ仕様(注3)に1台で自由に変更することが可能。そして、ノンガイドブッシュ仕様の際には、加工時に発生する切削負荷をすべり案内面で支持することで主軸台剛性を確保する主軸筒すべり案内面構造(注4)を採用するなど、機械全体の剛性向上に配慮している。
さらに、余裕のある機内作業スペースを確保するために、切削室および主軸台室のドアに、跳ね上げ式構造を採用。また、最適なポジションでの機械操作を可能にする旋回式パネルを採用。NC装置には、アラームの内容をNC画面上で確認できるアラームヘルプ機能を始めとした各種ヘルプ機能を付加するなど、機械、ソフトの両面からオペレーターの操作性、作業性の向上を図っている。