■東芝水電設備(杭州)が水力発電設備を納入
東芝は9月6日、東芝グループが水力発電設備を納入したベトナムのチュンソン水力発電所1~4号機のすべてが、このほど営業運転を開始したと発表した。同発電所の発電設備は、中国における東芝グループ会社の東芝水電設備(杭州)有限公司が中国水電工程顧問集団有限公司(HYDROCHINA CORPORATION)とのコンソーシアムで、2013年8月にベトナム電力公社傘下のチュンソンハイドロパワーカンパニーから受注したもの。
チュンソン水力発電所は、同国北中部のタインホア省に新設された合計出力26万kWの発電所。東芝水電は、6.5万kWのフランシス水車(注1)、発電機および各種付帯設備4セットの供給を担当した。同プロジェクトは、世界銀行がベトナム向けに初めて融資した案件であり、電力供給に加え、ダム建設により干ばつや洪水対策に寄与することが期待されている。
ベトナムにはメコン川などの豊富な水資源があり、水力発電は現在、同国のベースロード電源として総発電設備容量の約半数をまかなっている。同国では、高い経済成長を背景に2020年まで年率13%程度で電力需要が増加すると予想されており、発電設備容量を現状の2倍の7,500万kWまで増加させる計画注2がある。
東芝グループはベトナムにおいて、1964年に運転を開始したダニム水力発電所向けに水力発電設備を納めて以来、水車10台、発電機6台の納入実績がある。東芝水電としては、2005年の設立以降、87台の水車・ポンプ水車、101台の発電機・発電電動機を、中国をはじめ東南アジアなどの周辺国で受注し納入している。今回のベトナムにおける案件は、東芝水電の高い技術力と機器の信頼性などが評価され、東芝水電として同国における初めての受注・納入となった。
東芝グループは今後も、高品質な発電機器を国内外で展開し、水力発電事業をはじめとした再生可能エネルギー事業での受注拡大を目指す。
写真上:水車、写真下:発電機
注1中落差から高落差までの流れに対応する水車の種類。注2第7次国家電力マスタープラン