■建設機械のオイルを常時モニタリングすることで効率的な予防保全活動を実現
日立建機グループは、顧客へのサービスの付加価値を向上させる戦略として、ICTやIoTの技術を活用した、建設機械の遠隔での故障を検知する取り組みを進め、センシングによる遠隔での予兆検知率を、2020年頃に90%以上に高めることをめざしている。
これまでも、IoT技術を活用し、顧客が保有する建設機械の稼働・位置情報などのビッグデータを蓄積するGlobal e-Serviceのデータに基づき、サービスソリューション「ConSite」を提供してきた。顧客からの要望が強い延長保証やメンテナンス契約を推奨するとともに、建設機械の稼働状況を定期的に知らせる「定期レポート」や、マシンダウンにつながるようなアラームを検知した際にタイムリーに顧客に知らせる「緊急レポート」を、パソコンやスマートフォンなどに自動で配信し、顧客の課題である「ライフサイクルコスト低減」に貢献している。
全世界を対象に2017年7月31日現在で、「ConSite」登録台数は、6万台以上を数え、センシングによる遠隔での予兆検知率を20%まで高めている。
建設機械は、エンジンオイルや作動油などのオイルを分析することで、オイル自体の状態のみならず、部品やコンポーネントの状態や不具合などの「健康状態」を把握することができる。これまでは、建設機械の「健康状態」をオイルから分析する場合、オイルの状態に関わらず、一定期間で抜き取りによるオイル分析を行う必要があり、その手間と費用が顧客にとって負担となり、また、結果の把握までに時間を費やしていたことが課題だった。
今回提供を開始する「ConSite OIL」は、「ConSite」のシステムを活用したソリューション。建設機械に「オイル監視センサ」を新たに導入し、エンジンオイルや作動油の劣化や汚染などのデータをGlobal e-Serviceで分析・解析し、24時間モニタリングすることで、顧客の建設機械を見守り、センシングによる遠隔での予兆検知率を37%まで高める。
また、オイルの異常値を検知した際、顧客や代理店スタッフに緊急レポートを自動発信し、機械の状態を相互で把握するとともに、代理店スタッフに対処法を自動発信する。代理店スタッフから顧客へ適切なメンテナンスや修理、部品交換を迅速に提案し、顧客の保有機のダウンタイムを低減することを図り、顧客の課題である「ライフサイクルコスト低減」に貢献する。