国際協力銀行(JBIC)は8月30日、「海外展開支援融資ファシリティ」の一環として、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行との間で、日立建機によるオーストラリア法人Bradken Limitedの買収に必要な資金の一部を融資する貸付契約を締結したと発表した。
この案件は、JBICが各民間金融機関との間で締結済のM&Aクレジットライン設定のための一般協定に基づき、各民間金融機関を通じて融資を行うもの。買収総額は約6億7,800万豪ドル(約593億円)に対し、JBIC融資承諾額1億5,000万米ドル(約165億円)限度。1豪ドルは約87.4円。
Bradkenは、オーストラリアで鉱山機械向けを中心に鋳造及び鋳造製品の製造、販売及びメンテナンス事業を世界各地で展開している。それに対して、日立建機は、中期経営計画「CONNECT TOGETHER 2019」で「バリューチェーンの深化」を基本方針の一つに掲げている。
日立建機は、従前より鉱山機械分野ではハードサプライヤーとしての地位を確立してきたが、買収を通じて、鉱山機械分野の消耗部品市場に参入することにより、Bradken社をサービスパーツサプライヤーの核としてアフターサービス事業を強化することを企図している。
今回の融資は、日本企業による海外でのM&Aに必要な長期外貨資金を本邦金融機関と連携して機動的に供給することで、日本企業の海外における事業拡大や新たな事業展開を支援し、日本の産業の国際競争力の維持及び向上に貢献するもの。
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