タダノは8月23日、2軸キャリヤのラフテレーンクレーンでは最大となる海外向けラフテレーンクレーンGR-1200XL(120ショートトン、北米および中南米市場向け)、GR-1100EX(110ショートトン、北米・中南米以外)を24日から発売すると発表した。
海外市場、特に北米におけるエネルギー資源開発(シェールガス、オイルサンド)等の現場では、付設するプラント等の大型化に伴い、その建設またはメンテナンスに使用される移動式クレーンの大型化・長尺化とともに、狭所への進入性に優れた大型ラフテレーンクレーンが求められている。さらに吊上げ能力100tクラスのラフテレーンクレーンへのニーズが高いことから、コンパクトな2軸キャリヤとしてはタダノ最大の吊上げ能力と、作業領域を有するラフテレーンクレーンを開発した。
標準仕様価格は1億1,000万円(税別、2機種共に同価格。但し装備等により異なる)で、販売見込台数は2機種合わせて年間80台。
なお同モデルは、今年ラスベガスで開催されたコネクスポ(会期:3月7日~11日)に出展し、世界各国の顧客より非常に大きな反響を得たとしている。
■ラフテレーンクレーン(Rough Terrain Crane):一つの運転席で、走行とクレーンの操作が行える自走式クレーン。不整地や比較的軟弱な地盤でも走行できるほか、狭隘地での機動性にも優れ、コンパクトさと小回り性を活かし、都市型工事にお いて最も活躍しているクレーンの一つ。
■ショートトン:北米市場で一般的に使用される重量単位で、日本では1ショートトン=0.907トンで換算。
なお同モデルは、今年ラスベガスで開催されたコネクスポ(会期:3月7日~11日)に出展し、世界各国の顧客より非常に大きな反響を得たとしている。
<主な特長>
①2軸キャリヤとしてはタダノ最大のラフテレーンクレーン
これまでタダノ2軸ラフテレーンクレーンの最大吊上げ能力は、北米向モデルの100ショートトンだったが、これを大幅に上回る120ショートトン吊りを開発。軽量で強度の高い、高張力鋼ラウンドブームは、最大地上楊程56.1m、最大作業半径44.0m。ジブ装着時には最大地上楊程73.6m、最大作業半径46.9mとなり、タダノの2軸ラフテレーンクレーンとしては最大の作業領域を実現した。
②2軸キャリヤ採用による狭所進入性の向上
1クラス下の100ショートトン吊り機種と同じ2軸キャリヤを採用することにより、車両寸法も1クラス下と同等の全長・全幅・全高を成立させ、狭所への進入性や搬送性などが向上した。
③新制御機構「Smart Chart」の採用
従来のクレーンは、アウトリガが最大張出の場合、全周同一性能で旋回できるように、吊上げ性能が設定されていた。新開発の「Smart Chart(スマート・チャート)」では、これまでの円形の作業領域から、四角形のような作業領域へと、クレーンの作業能力を最大限引き出すことが可能となった。これにより安全な作業と効率性を、より向上させている。
④環境への配慮
「燃料消費モニタ」「エコモード(エンジン最高回転数の制限による燃料消費量削減)」ならびに「ポジティブ・コントロール(油圧ポンプの吐出量制御による燃料消費量削減)」といった、環境に配慮した機能を搭載した。
⑤情報通信システム「HELLO-NET」への対応
衛星・携帯通信とインターネットを利用し、顧客が遠隔で保有クレーンの稼働データ確認やメンテナンス情報の記録、管理を行うことが出来る「HELLO-NET」を標準装備。お客様の効率的なクレーン運用をサポートする。
<主要諸元>
(クレーン諸元)
GR-1200XL・GR-1100EX
最大吊り上げ荷重:120ショートトン 110トン
ブーム長さ:39.4 ft – 183.7 ft 12.0 m – 56.0 m
ジブ長さ:33.2 ft / 58.1 ft 10.1 m / 17.7 m
最大地上揚程:ブーム184.0 ft 56.1 m
ジブ241.4 ft 73.6 m
最大作業半径:ブーム 144.3 ft 44.0 m
ジブ 153.8 ft 46.9 m
※1ft(フィート)=0.3048mで換算。
(車両寸法)
GR-1200XL・GR-1100EX
全長:47’4-7/8ft 14,450mm
キャリヤ全長:28’1-7/8ft 8,580mm
全幅:10’10-1/2ft 3,315mm
全高:12’5-3/8ft 3,795mm