ニプロは8月3日、現在、医療用ゴム栓の製造を秋田県の大館工場で行っているが、より安定した供給体制(2サイト体制)を構築するため、滋賀県草津市のびわこ工場に医療用ゴム栓棟を竣工したと発表した。
新設したゴム栓棟では、より省力化した設備を導入するとともに、品質、安全面での取り組みとして、生産工程に合わせた製造環境管理区分を設けている。ゴム栓の最終洗浄では、WFI(※1)を用いたピュアスチーム(※2)で殺菌乾燥し、乾燥後の製品は、クリーンルーム(清浄度ISO14644‐1 クラス5)の環境下で計量・包装する。また、棟内はコンパクトかつ監査対応を考慮したレイアウト設計により、工場見学に適した構造となっている。
従来のガラスバイアルやガラスシリンジの製造部門に、新たに医療用ゴム栓製造部門を加えることにより、びわこ工場を国内における医薬用包装材料の総合供給基地として位置づけ、引き続き、GMP(※3)対応とユーザーニーズに応えられる高付加価値製品の開発と供給を図っていく。
※WFI…Water For Injection UF 水(限外濾過膜で処理した水)を原水として蒸留して作られた最もグレードの高い注射用水。
※ピュアスチーム…UF 水を原水として作られた最もグレードの高い水蒸気。
※GMP…Good Manufacturing Practice 日・米・欧州の厚生当局[日(厚生労働省)・米(FDA)・欧(EMA)]が規制する製造管理、品質管理に関する基準。
<新棟の概要>
名称:(仮称)ファーマパッケージング事業部 びわこ工場 医療用ゴム栓棟
所在地:滋賀県草津市山寺町笹谷61-9 (びわこ工場内)
建築面積:約3,330m2
延床面積:約3,330m2
稼働開始:2017年10月(予定)