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三菱重工、日立への7,743億円請求で仲裁申立て、南アフリカプロジェクト関連

 三菱重工業は7月31日、南アフリカプロジェクトに関する譲渡価格調整金等(約7,743億円)の日立製作所に対する請求について、同日付で日立を被申立人とする仲裁申立てを一般社団法人日本商事仲裁協会に行ったと発表した。三菱重工によると、7月31日に至るまで両社協議による解決に至らなかったことから、仲裁手続きに紛争解決を付託せざるを得ない段階に至ったと判断、日立に対し支払義務の履行を求める仲裁申立てを行ったとしている。

 ニュースリリース

■仲裁申立ての理由、申立てに至った経緯及び請求内容

 三菱重工業及び日立は、2014年2月1日(分割効力発生日)に両社の火力発電システムを主体とする事業を、三菱重工業の連結子会社である三菱日立パワーシステムズ(MHPS)に分社型吸収分割により承継させ、事業統合を行った。

 この事業統合の一環として、南アフリカにおける日立の連結子会社であるHitachi Power Africa Proprietary Limited(HPA)等が2007年に受注したMedupi及びKusile両火力発電所向けボイラ建設プロジェクト(南アPJ)に関する資産及び負債並びに顧客等との契約上の地位及びこれに基づく権利・義務を、HPAから三菱重工業の連結子会社であるMitsubishi Hitachi Power Systems Africa Proprietary Limited(MHPSアフリカ)が譲渡を受けた(南ア資産譲渡)。

 南ア資産譲渡に係る契約については、三菱重工業は契約締結の時点で既に大きな損失が発生する見込みを認識、その旨を日立に表明していた。そのため、同契約においては、分割効力発生日より前の事象に起因する偶発債務及び同日時点において既に発生済みの請求権につき日立及びHPAが責任を持ち、分割効力発生日以降の事業遂行につきMHPS及びMHPSアフリカが責任を持つことを前提に、分割効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行い、それに基づき最終譲渡価格を決定し、暫定価格との差額を調整する旨を合意している。

 2016年3月31日、三菱重工業は、日立に対して、上記契約に基づき、最終譲渡価格と暫定価格の差額(譲渡価格調整金等)の一部として48,200百万南アフリカランド(約3,790億円)をMHPSアフリカに支払うように請求した(2016年3月一部請求)。この2016年3月一部請求では、三菱重工業は、南ア資産譲渡に係る契約に従い日立及びHPAが支払義務を負う金額が48,200百万南アフリカランドを大幅に上回っており、追加で請求する権利を留保する旨を日立に明示的に通知していた。

 また、2017年1月31日に、三菱重工業は、日立に対して、上記2016年3月一部請求を含む譲渡価格調整金等として、89,700百万南アフリカランド(約7,634億円)の支払いを請求した(2017年1月請求)。この2017年1月請求では、2016年3月一部請求の際に三菱重工業が留保したとおり、日立及びHPAが支払義務を負う金額が48,200百万南アフリカランドを大幅に上回ることを示すべく、南ア資産譲渡に係る契約に従い、分割効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行った。

 しかし、本日(7月31日)に至るまで両社協議による解決に至らなかったことから、三菱重工業は、上記の契約上規定された(一社)日本商事仲裁協会における仲裁手続きに紛争解決を付託せざるを得ない段階に至ったと判断、7月31日、日立に対して、譲渡価格調整金等として約90,779百万南アフリカランド(約7,743億円)の支払義務の履行を求める仲裁申立てを行った。

 南アPJは、分割効力発生日時点において既に損失が見込まれたプロジェクトで、MHPSの子会社は、上記契約に基づき、譲渡価格調整金等を日立またはHPAから受領する権利を有している。また、分割効力発生日直前(2014年1月31日)のHPAの南ア資産譲渡に係る資産及び負債に含まれる損失見込額と、その時点で既に見込まれていたと三菱重工業が考える損失見込額には乖離があり、同資産及び負債について未合意の状況。

 今回の仲裁申立ては、仲裁手続を開始するもので、三菱重工業の業績予想に影響を与えるものではない。仲裁手続の経過又は結果に関連して今後開示すべき事項が発生した場合には、速やかに発表するとしている。

 

 

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