■10億円を投資、生産量5倍に高める
アサヒビールは7月20日、7月より、本社ビルに隣接するクラフトビールの醸造所「隅田川パブブルワリー」において、業務用市場に向けたクラフトビール(樽生)の商品開発を開始すると発表した。運営は、新設したアサヒビール(株)100%子会社「東京隅田川ブルーイング株式会社」(本社 東京、社長 安保昌俊)が担う。
また、アサヒビール(株)茨城工場の敷地内に、クラフトビールの製造設備を新たに導入し、「茨城マイクロブルワリー」を2017年9月に新設する。これにより、クラフトビールの生産量を現在の約5倍に高め、業務用市場に向けてクラフトビールの販売を開始する。
「隅田川パブブルワリー」の改装、および「茨城マイクロブルワリー」新設のための設備投資額は、合計10億円程を見込んでいる。
アサヒビールは、1994年にクラフトビール事業を開始。これまで、クラフトビールの販売は、アサヒグループ傘下の直営ブルワリーレストラン等に限定していたが、消費者の嗜好の多様化等を背景に、昨今は多様なタイプのビールを扱いたいという飲食店様の声が高まっていた。こうした顧客の声を受け、アサヒビール、東京第一号の地ビールとしての実績と知見、約150種類のレシピ開発のノウハウを活かし、業務用市場に向けたクラフトビール(樽生)開発に取り組むことにした。
「隅田川パブブルワリー」では、直営ブルワリーレストランで販売するクラフトビール醸造のほか、アサヒビールの研究開発本部直下の組織として、年間約10種類の新商品を開発する。これらの新商品は、“テストマーケティング商品”として位置づけ、アサヒグループ傘下の直営ブルワリーレストランにおいて顧客に提供し、味わいやネーミング、商品イメージ、価格帯などについて幅広く声を集め、商品化について検討を行う。そして、今後のクラフトビール開発に生かすべく、フィードバックを繰り返すことで、従来の発想にない、新しく高品質なクラフトビールの開発につなげていく。
「茨城マイクロブルワリー」では、業務用市場に向けて販売する、基幹3種のクラフトビールを醸造する。また、「隅田川パブブルワリー」での“テストマーケティング”の結果、商品化の決まったクラフトビールを生産する。
アサヒビールのクラフトビール取り扱い目標店数は、2017年末までに東京23区内で100店。2018年末までには、同エリアにおいて取扱い飲食店数を300店に拡大する計画。