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三菱重工、広島高速交通から“アストラムライン”の新型車両66両を受注

■既存車両の更新向けに2019年度から納入へ

 三菱重工業は7月14日、広島高速交通(本社:広島市安佐南区)から、新交通システム車両(AGT車両:Automated Guideway Transit)66両(11編成)を受注したと発表した。広島新交通1号線“アストラムライン(Astramline)”が1994年に開業して以来運行している既存車両の更新向けとして、2019年度から2025年度にかけて納入する。

 今回受注した新型車両は、軽量で高い耐久性とリサイクル性を備えたオールアルミニウム合金のダブルスキン構体であるAl-fineを採用。揺れを低減し乗り心地を向上させた台車のT-smoverや、快適なすわり心地を提供し足の投げ出しも防止するセミハイバックバケットシートのG-Fitを搭載。加えて、上質な空間を目指すインテリアデザインであるDetail-ismをベースに、顧客とともに都市のシンボルとして定着したアストラムラインのイメージを踏襲しながら、安心・安全で快適な車両を製作していく。

 広島高速交通は、広島市が中心となり1987年に第三セクター方式で設立された新都市交通システム運営会社。同社が運営するアストラムラインは、広島市中心部の本通駅から北西に位置する都市拠点・西風新都の広域公園前駅までを結んでおり、路線延長はAGT路線としては日本最長の18.4kmを誇っている。

  一日の平均利用者数は約6万3,000人で、車体のクロームイエロー(和名:やまぶき色)は「平和、寛大、理想」という色の属性(意味)を持ち、国際平和都市・広島の公共交通として利用者に親しまれている。

  新交通システムは、道路上の空間を有効利用するために考案されたシステムで、1981年から日本の多くの都市で導入されてきた。ゴムタイヤを用いているため、低騒音・低振動で沿線環境に優しい乗り物。

  三菱重工は、2014年度グッドデザイン賞で公共交通をリノベーションしたデザインと評価された「ゆりかもめ7300系」、路線初のオールロングシート化を実現し混雑緩和に貢献している「日暮里・舎人ライナー330形」、2016年度グッドデザイン賞で“並走する新幹線に負けない存在感”と評された「埼玉新都市交通伊奈線・ニューシャトル2020系」を納入してきた。また、海外でも米国・アジア・中東の主要ハブ空港などに豊富な納入実績を有している。

  三菱重工は今回の受注を弾みとして、今後も国内外の都市交通や空港向けに積極的な営業活動を展開していく。

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