日立金属は7月13日、拡大するクラッド材の需要に応えるために、(株)SHカッパープロダクツ(以下SHカッパー)にクラッド材の生産ラインを導入すると発表した。投資金額は約75億円。これにより2020年度までにクラッド材事業の売上規模3倍(2016年度比)をめざす。
クラッド材とは異なる金属を接合させることで、単一材料では得られない特性を持たせた複合材料。主に自動車の熱交換器や携帯端末の放熱部品、電池の電極、内部リード、集電箔など幅広い分野で使用されている。
日立金属の特殊鋼事業は、工具鋼、産業機器材料、電子材料に加え、航空機・エネルギー材における成長戦略を展開し、グローバル市場で成長をめざしている。なかでもクラッド材を手掛ける電子材料は、電気自動車や携帯端末などの分野で需要が拡大しており、大きな成長が期待できる。こうした中、2017年7月1日付でSHカッパーを電線材料カンパニーから特殊鋼カンパニーに移管し、伸銅事業の強化を進めるとともに、2018年4月1日付で(株)日立金属ネオマテリアルを存続会社として両社を統合し、SHカッパーを統合新会社の土浦工場とするなど、クラッド材事業の強化に向けた施策*を進めている。
今回、SHカッパーをクラッド材の新たな供給拠点とし、生産体制を強化するために、クラッド材の生産ライン導入を決定いたしました。SHカッパーに新たに導入する生産ラインは、素材から加工まで一貫で製造する日立金属ネオマテリアルの体制を受け継ぎながら、さらに広幅化による合理化をめざしたライン。
今後、日立金属グループは、顧客ニーズに対応する品揃えの拡充、生産能力の増強、販売体制の強化といった成長戦略の実行により、2020年度までにクラッド材事業の売上規模3倍(2016年度比)をめざす。
<投資の概要>
導入拠点 株式会社SHカッパープロダクツ(2018年4月1日以降は、日立金属ネオマテリアルの土浦工場)
導入設備 圧接機、圧延機など
投資金額 約75億円
稼働時期 2018 年度下期