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三機工業、木質バイオマスガス化発電設備市場に本格参入

 三機工業は7月12日、NKCながいグリーンパワーより2016年5月に受注し、山形県長井市寺泉に建設していた木質バイオマスガス化発電設備工事を完了し、2017年7月より同発電所は本格的に営業運転を開始したと発表した。

 日本の電源構成における再生可能エネルギー比率は、2013年度で約11%となっており、2030年度では約24%まで拡大すると想定されている。うちバイオマスによる発電量は、同じく176億kWhから394~490億kWhへ、2.2~2.8倍程度まで拡大するとされており、今後大きな成長が見込まれる分野のひとつ。

 NKCながいグリーンパワーの木質バイオマスガス化発電設備は、2015年に発電容量2,000kW未満のカテゴリーがFIT制度(※1)に設けられてから国内で初めて商業運転する木質バイオマスガス化発電所で、2016年7月に経済産業省より設備認定を受け建設を進めてきた。

 三機工業は、この発電施設および隣接するチップ製造工場において、ガス化設備・タール燃焼装置などのプラント設備、および空調・衛生・電気設備工事など発電施設に必要な建築設備を担当した。

 同発電所では、26,000ton/年の国産材(未利用木材や一般材等)を用いて、年間1,480万kWh(一般家庭3,000世帯相当)の発電を行う。ガスエンジン発電機の発電効率は、この規模の一般的な蒸気タービン発電方式の2倍以上の高い効率を有している。

 ガス化設備は、日本バイオマス開発がバブコック・ウィルコックス・フェルント社から導入した技術を採用している。
 また、ガス化発電設備で課題となる木質タールは、やまがたグリーンパワーの10年にわたる運転実績をもとに蒸発濃縮し、全量を燃料として利用することでシステム全体のエネルギー効率を向上させている。

 エンジンやタール燃焼装置から回収可能な温水は、発電施設内の利用だけでは余剰となるため、近隣での農業利用や各種施設への熱供給等、温排熱の有効利用方法についても検討している。

 三機工業は、これまで培ってきたプラント・建築設備技術をもとに、今後も日本バイオマス開発との協業により、積極的に木質バイオマスガス化発電設備の営業を強化していく予定。

※1 FIT制度:再生可能エネルギーの固定価格買取制度

<NKCながいグリーンパワー株式会社木質バイオマスガス化発電設備>
設計・監理:日本バイオマス開発(株)、やまがたグリーンパワー(株)
土木・建築:那須建設・矢萩土建JV
プラント設備:三機工業(株)
ガスエンジン発電機:(株)日立パワーソリューションズ
木質チップ製造設備:富士鋼業(株)

ニュースリリース

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