神戸製鋼所は6月27日、非汎用圧縮機事業において、「指導員(以下SV)派遣機能」と「エンジニアリング機能」を統合した「KOBELCO MACHINERY PHILIPPINES INC.」(以下、KMP)をフィリピンに設立し、本格的な運営を開始したと発表した。今回の拠点設立により、エンジニアリング業務やSV派遣活動の最適分業体制を構築し、圧縮機事業の世界展開を推進する。
神戸製鋼所は、昨年発表した新中期経営計画における機械系事業の成長戦略として、「圧縮機事業の拡大」を目標に掲げており、圧縮機事業全体では2020年度で売上規模1,300億円レベル(前年度比+4割強)への拡大を目指す。
また、「圧縮機事業の拡大」の実現に向けて、全世界で約1兆円の市場規模があるとされる非汎用圧縮機市場での更なる売上拡大にも取組んでおり、今年4月には大型ターボ圧縮機市場への参入を目指し40MW大型試運転棟を増設した。更には、「グローバルな市場への対応やアフターサービスに携わるSVの増強」と「設計処理量の向上や設計費用の圧縮、外国人起用によるエンジニアリング業務の最大効率化」にも取り組んでいる。
新拠点設立により、非汎用圧縮機事業のグローバル展開を加速させると共に、「SVの増強」と「エンジニアリング業務の最大効率化」を図る。
「SVの増強」については、従来、増員を進めてきた国内(高砂製作所)や米国(カリフォルニア州)に加え、フィリピンでの現地SVを拡充させる事で、日本・米国・中国(無錫市)・フィリピンの4大SV派遣拠点を確立し、要員拡充と機動性向上が可能となることで海外での新規受注やアフターサービス受注を拡大させる。
「エンジニアリング業務の最大効率化」については、新拠点へのエンジニアリング業務の移管・分業を進めることで事業強化を図ると共に、客先(市場)要求や業務内容に応じてエンジニアリング機能の最適拠点を選択できる体制を構築する。
神戸製鋼所は世界トップクラスの総合圧縮機メーカーとして、新拠点設立をサービス事業拡大の武器に、需要地に根付いたグローバルな営業展開を進めていく。
※SV:Super Visor(スーパーバイザー):現地での据付・試運転・アフターサービス業務を担当。
<KOBELCO MACHINERY PHILIPPINES INC.の概要>
会社名:KOBELCO MACHINERY PHILIPPINES INC.
所在地:フィリピン マカティ市
資本金:43,000,000フィリピンペソ(約1億円)
出資比率:KOBELCO MACHINERY ASIA PTE. LTD.(神戸製鋼所100%出資のシンガポール法人)100%
設立:2017年2月
代表者:提坂三嘉
従業員数:21名(内、日本人駐在者3名)
業務内容:エンジニアリング(購入品の設計・手配)および指導員派遣業務