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理研ビタミン、宮城県名取市に、わかめ加工と種苗の生産・研究拠点「ゆりあげファクトリー」を開設

  ■海藻養殖の生産安定化にむけて

 理研ビタミン(本社:東京都千代田区)の連結子会社である理研食品(本社工場:宮城県多賀城市)は6月16日、宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区に、わかめの加工及び種苗生産や海藻の基礎研究を行う「ゆりあげファクトリー」を開設、7月1日より稼働すると発表した。

ニュースリリース

 「ゆりあげファクトリー」は、東日本大震災において甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした名取市の水産業共同利用施設復興整備事業。 近年のわかめ産業を取り巻く課題として、①気候変動による生産量低下、②生産者の方々の高齢化、③寒冷期の苛酷な労働条件での作業負荷などが挙げられる。特に水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落めおち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因のひとつとなっている。

  こうした環境下、理研食品は「わかめの苗」ともいえる種苗の優良系統を選抜するために養殖水槽を開発し、それを用いて高生長種苗、早生わせ・晩成おくて種苗などの選抜技術開発(注1)に取り組み、一定の成果が得られた。このほど「ゆりあげファクトリー」でその実用化をスタートさせるもの。 これら優良種苗の安定生産により、その後の海上におけるわかめ養殖の生産性が向上すると期待できる。

 また「早生種苗」や「晩成種苗」の系統を選抜する事で、これまで1 回/年だったわかめの養殖を、将来的には2回/年に増やすことも研究している。 わかめ養殖の安定生産及び労働の軽減化など、海藻産業が抱える課題について、研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻産業の活性化に貢献していく。また、わかめ製品の前処理加工生産や海藻の基礎研究もスタートさせ地域の発展に繋げていく。

<ゆりあげファクトリーの概要>

所在地 宮城県名取市閖上四丁目479

事業内容 わかめ、茎わかめの加工(湯通し塩蔵わかめの芯抜きなど)わかめをはじめとする海藻類種苗生産海藻の基礎研究プラント

工場面積 建屋面積 522 ㎡

敷地面積 2,000 ㎡

総事業費 184 百万円

稼働開始日 2017 年7月1日

生産品種と生産能力(5 年以内目標) わかめ、茎わかめ加工品:湯通し塩蔵品として200t わかめ優良系統の種苗

生産(高生長種苗、早生・晩成種苗など):3万mの種苗生産(養 殖育成後のわかめ原藻換算で約2 千t)

従業員数 竣工時4名

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