kikai-news.net

プライメタルズテクノロジーズ、独エデルシュタールヴェルケ社に納入した鋳造用ロボットシステムが稼働開始

 プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies, Limited)は6月15日、ドイツのドイツ・エデルシュタールヴェルケ社(Deutsche Edelstahlwerke GmbH:DEW、ドイツ・エデル製鉄所の意)のジーゲン製鉄所に納入した鋳造用ロボットシステム「リキロボ(LiquiRob)」が稼働を開始したと発表した。

 同システムは、ビレット連続鋳造機の上部にある鋳込み用プラットフォーム上に 2016 年秋に設置され、鋳造機に流し込む溶鋼を精錬するレードル炉のランシング(酸素などのガス吹込みによる溶鋼の精錬及び測定)を自動で行っている。

 ドイツ・エデルシュタールヴェルケ社はシュモルツ+ビッケンバッハ(Schmolz + Bickenbach)グループの中核となる製鉄会社として、ステンレス鋼の長尺製品で世界をリードしており、ドイツのヴィッテン、ジーゲン、クレーフェルト、ハーゲン、ハッティンゲンの各製鉄所で約 4,000 名の従業員を擁して、年間約 100 万トンのステンレス鋼を生産・加工している。

 ドイツ中西部のノルトライン・ヴェストファーレン州ジーゲン市にあるジーゲン製鉄所では、電極式電気炉で溶鋼を生産し、6 ストランド(条)方式連続鋳造機で、断面 138 mm 角から 265 mm 角の方形ビレットに鋳造加工している。 ランシング作業はこれまでオペレータにより手動で行われており、溶鋼が時に制御困難な状態になる場合があることから危険を伴っていたが、このロボットシステムの使用により、オペレータが危険な場所で作業する必要がなくなり安全性が大きく改善した。

  さらに、大型で効率的なランス(パイプ状の装置)を使用することも可能となり、ランシングの初回成功率が大幅に向上した。 プライメタルズ テクノロジーズは、作業の安全性向上とともに、鉄鋼生産の過酷な測定環境下での測定品質の確保のため、このリキロボシステムを開発した。現在、世界各国の連続鋳造プラントで 6 台のロボットシステムが稼働しているほか、電極式電気炉および転炉でも各 1 台が稼働中。        

モバイルバージョンを終了