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東芝、米国原発建設プロジェクトに係る親会社保証、米国電力会社と合意書

東芝は6月12日、2017年6月9日(米国東部時間)に、米国ジョージア電力社他(注1、以下サザン電力)と、ウェスチングハウス社(以下WEC)の新型原子炉「AP1000」2基の建設プロジェクト(ボーグル3号機、4号機)に関する東芝親会社保証について、サザン電力に3,680百万米ドル(4,129億円)を2017年10月から2021年1月までの間に分割で支払っていくことで、合意書を締結したと発表した。
なお、東芝が2017年5月15日付で公表した「2016年度通期業績見通し」には、本合意による想定影響額を織込み済みであり、今回合意による追加の業績影響はないという。

東芝は、2008年にWECが2基のAP1000原子炉建設プロジェクトを受注した際、サザン電力と親会社保証契約を締結していたが、今回、サザン電力と、東芝保証上限の金額、及び当該金額の支払いスケジュールについて合意したもの。

合意に伴い、東芝の保証責任は今回合意した金額を上限として固定され、親会社保証にかかる追加での費用負担を遮断したこととなる。そしてサザン電力とは、今後、プロジェクトコストの増加等の如何なる事情を問わず、保証上限額以外の建設プロジェクト関連費用を東芝に請求しないことを合意している。

保証上限額は、東芝の20175月15日付「2016年度通期業績見通し」で公表の親会社保証引当金および貸倒引当金約9,800億円(注2)に織り込んでいた。なお、今回合意した保証上限額は、実際の工事費用が当該金額よりも低く抑えられた場合に、東芝はその差額の一部の返金を受けるものであること、東芝とサザン電力が、WEC等の米国連邦倒産法第11章に基づく再生手続(以下、WEC再生手続)について協調していくこと、また、サザン電力が、WEC再生手続においてWECの債権者として回収しえた額は東芝保証上限金額に充当されることでも合意している。

東芝は、現在、米国サウスカロライナ電力&ガス社他(注3)とも、同じくWEC「AP1000」2基(V.Cサマー2号機、3号機)の建設プロジェクトに関する発生費用についての東芝保証に関して、保証上限金額及び分割支払いスケジュールについて交渉を継続しており、米国原子力発電所建設プロジェクトの残る2基に係る親会社保証に基づく支払上限額の確定も目指している。

 

(注1:ジョージア電力社はサザン電力社の100%子会社。他オーナーはオグルソープ電力社,ジョージア州電力公社及びジョージア州ダルトン市)
(注2:うち親会社保証引当金は、主に4基の米国原子力発電所建設プロジェクトに係る分を含む6,700億円)
(注3:サウスカロライナ電力&ガス社は米国スキャナ電力社の100%子会社。他オーナーはサウスカロライナ州公共サービス機関)

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