■長年の支援をさらに強化し、カンボジアの貿易促進に貢献
国際協力機構(JICA)は6月8日、シハヌークビル港湾公社(Port Authority of Sihanoukville)がカンボジア証券取引所に上場し、国際協力機構(JICA)は、新規公開株式のうち戦略投資家への割当分を取得したと発表した。
カンボジアで唯一の大水深港であるシハヌークビル港は、日本が長年支援してきた港。JICAは、同国の内戦終結後初となる有償資金協力案件として、1999年に「シハヌークビル港緊急リハビリ事業」を供与したことを皮切りに、有償資金協力、無償資金協力、技術協力を通じて、同港のインフラ整備及び運営能力強化を継続的に支援してきた。
カンボジアの堅調な経済成長に支えられ、同港のコンテナ貨物取扱量は急増しており、2020年にはコンテナ貨物需要が68万TEU(注)に達する見込みであることから(JICA試算)、現状50万TEUである取扱能力の向上が喫緊の課題となっている。今回の株式上場によりシハヌークビル港湾公社が調達する資金は、クレーンの増設やオフドックヤードの整備等、取扱能力向上のために充てられる予定。
JICAは、今回の出資を契機にシハヌークビル港湾公社への支援を強化し、港湾運営の効率化、国際競争力の向上、経営能力の改善を通じて、カンボジアの貿易促進に貢献していく。
(注)TEUは、20フィートコンテナ個数に換算した貨物量。