三井造船は6月7日、ミャンマー運輸省傘下のミャンマー港湾公社(Myanmar Port Authority)より、ヤンゴン港ティラワ地区向けコンテナクレーン8基(岸壁用ガントリークレーン2基、ヤード用トランスファークレーン6基)を受注したと発表した。
近年急速な経済発展を続けるミャンマーでは、貨物輸送量が増加する一方で既存の港が飽和状態となっている。同プロジェクトは、物流インフラを改善し安定的な経済成長の基盤を整備するために、2013年にミャンマー政府と日本政府の間で結ばれた円借款契約の一環で、新港の建設を含むヤンゴン郊外のティラワ地区のインフラ整備を行うもの。また本件は、同社にとって初めてのミャンマー向けクレーン受注案件となる。
今回受注したガントリークレーンには、センサーによって吊り具とコンテナの位置を検知し、吊り具がコンテナに接近する際自動的に減速・停止する機能(ソフトランディングシステム)が搭載されている。この機能により、吊り具がコンテナに着床した時の衝撃が緩和され、吊り具及びコンテナの損傷を軽減する。また、運転室から見えづらい船倉内のコンテナのハンドリングが容易になり、運転手の負担軽減が期待される。ヤード用トランスファークレーンは、同社従来製品より50%~60%の燃費削減が可能なリチウムイオンハイブリッドタイプであり、ターミナルの運営コスト及びCO2排出量削減への寄与が期待される。
同社は、1961年にコンテナクレーンのパイオニアである米国PACECO Inc.と技術提携を結び、1967年に日本初の岸壁用コンテナクレーンを神戸港に納入した。その後、 1988年にPACECO Inc.を買収し、コンテナクレーンビジネスを強化、東南アジアを中心に全世界に岸壁用ガントリークレーン350基、ヤード用トランスファークレーン1,200基以上の納入実績を有している。また、コンテナクレーンのみならず、ターミナルにおけるコンテナ荷役効率の向上に欠かせないコンテナターミナルマネジメントシステムの納入も150を越え、アフターサービスを含めたコンテナターミナルのトータルシステム企業を目指し事業展開している。